欧州刑事警察機構(European Union Agency for Law Enforcement Cooperation、以下ユーロポール)は11月24日(現地時間)、「Action against criminal website that offered ‘spoofing’ services to fraudsters: 142 arrests」において、欧州や米国、オーストラリアなどの司法当局と連携し、大規模なスプーフィングサービスを提供していたWebサイトを閉鎖して管理者など142人を逮捕したことを伝えた。

捜査対象となったWebサイトでは「iSpoof」と呼ばれるサービスを提供しており、信頼できる連絡先になりすまして被害者の機密情報にアクセスするスプーフィングの手口によって約1億1500万ユーロもの損失を引き起こしていたという。

  • Action against criminal website that offered ‘spoofing’ services to fraudsters: 142 arrests|Europol

    Action against criminal website that offered ‘spoofing’ services to fraudsters: 142 arrests|Europol

今回の捜査は英国が主導し、ユーロポールの支援の元で各国の司法当局および法執行機関と連携する形で実施された。iSpoofによる詐欺の一例としては、オンラインポータルに登録した加入者が銀行や小売企業、政府機関などになりすまして電話をかけることが可能で、被害者をだまして個人情報や財務情報を明らかにさせたり、多額の金銭を送金させたりするなどの手口が挙げられている。

  • 閉鎖されたiSpoofのWebサイト(引用:欧州刑事警察機構)

    閉鎖されたiSpoofのWebサイト 引用:欧州刑事警察機構

iSpoofのWebサイトは2020年12月に作成されたとみられており、推定5万9,000人のユーザーがいたという。英国警察では2021年6月に「Operation Elaborate」という作戦名で調査を開始し、ユーロポールの支援によって各国との連携体制を築いていったとのこと。iSpoofの閉鎖には、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、リトアニア、オランダ、ウクライナ、英国、米国の司法当局および法執行機関が参加した。