The Registerは11月22日(英国時間)、「France says non to Office 365 and Google Workspace in school • The Register」において、フランス政府が学校でのMicrosoft Office 365およびGoogle Workspaceの利用を禁止する可能性について伝えた。フランスの国民教育省の大臣がこれらの無料アプリケーションを学校で使うべきではないと発言したと伝えている。

The Registerは、2022年の夏にフランス議会の議員がMicrosoft Office 365の無料版は魅力的ではあるが、一種の不法投棄に等しいと国民教育省に助言していたと指摘。同省は助言に対して回答書を発表し、フランスの公共調達契約には「対価」、つまり支払いが必要であることを確認したと返答したことがわかった。無料サービスの提供は、原則として公共調達の範囲から除外されるという声明が公表され、同省の大臣も同じ立場であると伝えられている。

The Registerはこの声明に対し、Google Workspace for Educationのような他の無料サービスにも適用されると指摘している。

フランス政府は、米国にデータを保存するMicrosoftおよびGoogleのクラウドサービスがEU一般データ保護規則(GDPR: General Data Protection Regulation)などの欧州データ規制および国境を越えたデータ共有を規定する欧州連合司法裁判所の判決である「Schrems II」に準拠していないと考えているという。Schrems IIは、欧州司法裁判所が米国の法律が欧州のプライバシー基準を下回っていると判断し、米・欧州連合プライバシーシールド協定を無効とした判決とされている。

米国大統領は、新たな大西洋横断データ転送の枠組みを利用するよう米国機関に指示する大統領令に署名しており、欧州連合(EU)はこの規則を採用するための措置を講じなければならないとされている。この措置が実現された場合、米国とEUの間のデータ転送はより管理しやすくなるとみられており、MicrosoftとGoogleのクラウドサービスがEUで利用されるようになる可能性があると伝えている。