内田洋行は11月15日~11月18日にかけて新川本社およびリニューアルした新川第二オフィスでオフィスファニチャー・ICT の新製品発表会「UCHIDA FAIR 2023」を開催する。

それに先駆けて、筆者はアフターコロナの新しい働き方を提案する「ハイブリッド時代」のチームを支援する内田洋行の新製品とリニューアルされた新川第二オフィスをオフィスツアーとして体験させていただいた。

本稿では、その一部始終を前編では新製品の概要、後編ではオフィスツアーの内容に分けてレポートしていく。前編の今回は、今回発表された新製品やアップデートされた製品についてレポートする。

4つの新製品のテーマは「ハイブリッドワーク」

「『DX』という言葉は、デジタル化を指すのではありません。デジタル化によるデータの蓄積と変革の促進を指しています。つまりDXはデータと変革する『人』で推進されているのです」

という内田洋行の代表取締役である大久保昇氏の言葉で幕を開けた「UCHIDA FAIR 2023」。

  • 内田洋行の考える「DX」の未来を語る大久保氏

今回の発表会では、リニューアルされた新川第二オフィスを舞台に内田洋行の4つのオフィスファニチャー分野の新製品とハイブリッドワークを支援するICT分野の製品が紹介された。

まず紹介されたのは、柔軟なチームレイアウトに対応する新デスクの「Felvect(フェルベクト)」だ。同製品は、キャスターによる可変性を備えており、グループワークと個人ワークに最適なレイアウトやサイズ変更を柔軟に行うためのデスクになっている。天板内と脚内にワイヤリングをまとめられるようになっており、PCやICTの配線を気にせず快適に利用することができるという。

  • Felvect  天板内と脚内にワイヤリングをまとめられるハイブリッドワークには嬉しい仕様

続いて紹介されたのは、ワーカーの動きにしなやかに一体化する「Workwear」となるチェア「Reflek(リーフレク)」。「Workwear」とは、人がまとう衣服のようにしなやかに自在に一体化する製品のことで、オフィス商品企画部 部長の門元英憲氏はこれを「個々の本当の意味での『自由』を実現すること」と説明していた。長時間のオンライン会議などが多い現代に適した新製品だ。

新製品の3つ目はチームワークを支援する可動性の高いコラボレーションツールである「Puller(プラー)」だ。個々の成果を共有したり、アイデアを可視化したり、それらに対して議論することで、即興的なコラボレーションを行う「Puller」シリーズも新製品で、一人用に特化したサイズのテーブルやコンパクトなチェアを動かして活発なワークショップを行ったり、素早くスタックしてコラボレーションスペースを柔軟に効率的に使うことができたりするように、背もたれが付いたチェアとテーブルをラインナップしたという。

  • Pullerシリーズの新製品

最後は、話し声や生活音を吸音する「LanaPanel」シリーズの新製品で、個々のワーカーがこもるためのブースになる「Lana Panel(ラナパネル)」。オープンな空間で働くワーカーが、集中した個人ワークやオンライン会議を快適に行うために、こもって集中する扉パネルを新たに追加されたという。

  • Lana Panel オンライン会議にも最適

以上が今回、発表された内田洋行のオフィスファニチャーの新製品だが、見て分かる通りどれもオンライン会議でもリアルの業務でも快適に利用できることを重要視して制作されている。

説明の中でも何度も「ハイブリッドワーク」という言葉が出てきており、アフターコロナの出社している社員とテレワークで参加する社員が混在していく未来を見据えての製品発表となっているようだ。

ハイブリッド時代を支えるICTの新製品

オフィスファニチャーの新製品に続いて発表されたのは、ICT分野の新製品だ。

はじめに紹介されたのは「SmartOfficeNavigator」の新機能だ。「SmartOfficeNavigator」は、スマートフォンやタブレットを通じて、ワーカーに必要な「人」と「場所」と「物」の情報が瞬時に引き出せるツールだ。手元のスマートフォンで社内外のチームメンバーの居場所や、会議室の利用状況、オフィスの混雑情報などの人と空間のさまざまな情報をリアルタイムで集約し、ワーカーが必要な情報を提供することで生産性の向上を支援するシステムになっている。

  • オフィス内の人や設備のさまざまなデータを集約し表示する統合サイネージ

今回追加された新機能としては、ビルやオフィス内の温湿度・CO2 濃度などの環境情報と照明・空調などの設備の稼働状況を収集表示し、自分のスマートフォンで利用状況を見ながら、照明や空調、換気などの館内設備の操作を簡単に行うことが可能になったこと。

また、さまざまな情報から利用状況を分析し、オフィスレイアウトや設備の継続的な環境改善に役立つ機能も拡充するなど、環境に負荷をかけないような働き方を案内するサイネージを提供していくという。現在、AIによる空調制御技術を活用し、快適性と省エネを両立する実証実験の取り組みを実施中だという。

  • 環境に負荷をかけないような働き方を案内するサイネージのイメージ

ICT分野の新製品の2つ目は、「オンラインのチームメンバーをつなぐ新ハイブリッド会議室」だ。この製品は、オンライン会議で生じる、参加者の表情や音声、提示資料で受け取る情報などの差が生じ、チームのコラボレーションに影響を与えてしまうという課題にコミットする新製品。

大型ディスプレイの相手の映像と正対し、目線が合う位置にカメラを設定して映像や音声、資料をしっかりと共有しながら一体感を高めるほか、ホワイトボードカメラを組み込むことで、書き込んだ板書の情報も遠隔地にいるチームで共有が可能になっているという。また複雑な会議用機器をワンタッチで準備できるAV制御システム「codemari」を活用することで、よりシンプルにスムーズな運用で充実したチームミーティングを演出するシステムになっているという。

  • 新ハイブリッド会議室 大人数のオンライン会議で起こりがちな顔の見切れなども防ぐことができる 

前編では、内田洋行の発表した4つのオフィスファニチャーと2つのICTジャンルの新製品を紹介した。後編では、オフィスをデザインする内田洋行のリニューアルされた最先端のオフィスに伺い、その模様をレポートする。