業務効率化にはさまざまなアプローチがあるが、中でも現場主体の取り組みとなるのがRPAとローコード/ノーコードだ。

10月25日、26日に開催された「ビジネス・フォーラム事務局×TECH+フォーラム 業務効率改善 Day 2022 Oct. 自社にいま必要な『業務効率化』を見極める」では、日本マイクロソフト エバンジェリスト・業務執行役員の西脇資哲氏が登壇し、RPAとローコード/ノーコードを活用した業務効率化について事例を交えて解説。合わせて、今すぐに始められる業務効率化の取り組みなどを紹介した。

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コストではなく時間にフォーカスすべき理由

デジタルトランスフォーメーションを通じた業務プロセスの効率化の必要性については、いずれにおいても異論がないところだ。西脇氏はウェルビーイングの観点から、「労働時間を短縮することで、心地良い働き方ができる。従業員は会社に留まるだろう」と話す。

メリットはその他にもたくさんある業務効率化だが、なかなか進まない。なぜなのか? それはアナログ、主に紙の存在だ。自治体のコロナ対策でもFAXをはじめ、紙の文書を使っていることが課題視されたが、組織の中でも紙に頼っている業務は多い。

そこで西脇氏は「契約・申請書類」(62.9%)を筆頭に、「取引先・顧客への請求・見積もり」「社内会議資料」など、紙が多く介在する業務についてのデータを示した。

  • 紙文書が介在することが多い業務/出典:2020年4月22日 Biz Clip調査レポート(第20回)

これをデジタルに変えるとどうなるか。紙では「誰かが持っている」「検索が大変」「活用が難しい」「自動化が難しい」などがデメリットとなっていたが、デジタルに置き換えることで「PCやクラウドに保存するのでかさばらない」「複製/共有」「すぐに検索できる」「計算、分析、予測などで活用できる」「自動化が可能」といったメリットが生まれる。

  • 西脇氏が示すアナログとデジタルの違い

「人はそもそも、生産的で戦略的な思考に優れています。それなのに、繰り返しの作業や手作業に忙殺されているのです」(西脇氏)

「まずはアナログからデジタル化を進めましょう」とアドバイスする同氏が着目すべきだとするのは、金銭的コストより「時間」だ。西脇氏は、「コストを下げることを目的にすると、”あれもいらない、これもいらない”となる。だが、時間にすれば、”たくさん処理ができる”という考え方になる」と説いた。