米Google Cloudは10月28日(現地時間)、Web3開発者がブロックチェーンベースのプラットフォームで新しいプロダクトを構築・デプロイするための「Google Cloud Blockchain Node Engine」を発表した。

ブロックチェーンは、永久に保存・暗号化されたトランザクションデータで構成し、一種の分散型データベースとして機能する。データの認証や保存を中央機関に一任するのではなく、ブロックチェーンの取引履歴の完全なコピーを含むコンピュータ、PC、サーバなどのデバイスがブロックチェーンの管理基盤であるノードとして機能する。

ブロックチェーンのノードはピアツーピアのネットワークを形成し、常に最新のブロックチェーンデータを交換するため、すべてのノードが同期された状態を保つことができる。自身で管理するノードは導入が難しく、継続的な管理が必要となるが、フルマネージド型のノードホスティングサービスであるBlockchain Node Engineを活用することで、ノード運用の負荷を最小化することができるという。

専用ノードを必要とするWeb3企業では、Google Cloudのコンピュートおよびネットワークインフラストラクチャに期待される信頼性、パフォーマンス、セキュリティを保ちつつ、トランザクションの中継、スマートコントラクトのデプロイ、ブロックチェーンデータの読み取りや書き込みを行うことを可能としている。

Ethereum(イーサリアム)は、Blockchain Node Engineがサポートする最初のブロックチェーンとなり、開発者はブロックチェーンに安全にアクセスできるフルマネージドのイーサリアムノードをプロビジョニングできるという。

ノードを手動でデプロイすることは、コンピュートインスタンスのプロビジョニング、イーサリアムクライアント(例:geth)のインストール、ノードとネットワークの同期待ちなど、時間のかかるプロセスとなる。

最初のブロック(つまり「genesis」)からフルノードを同期するには、数日かかることもあるが、Google Cloud のBlockchain Node Engineは開発者が1回の操作で新しいノードをデプロイし、目的のリージョンとネットワーク(Mainnet、Testnet)を指定できるため、これらのプロセスを迅速かつ容易に実行できるという。

また、Blockchain Node Engineはノードへの不正アクセスを防ぐことができるセキュリティ構成を提供。Google CloudのVPC(Virtual Private Cloud) ファイアウォールの背後にノードを配置することで、信頼できるマシンやユーザーのみがクライアントエンドポイントと通信できるようになる。

加えて、Google CloudのネットワークセキュリティであるCloud Armorなどのサービスは、ノードをDDoS攻撃から保護し、セキュリティを確保することを可能としている。

さらに、ブロックチェーン インフラストラクチャを準備し、可用性を確保するためには、一般的にDevOps(開発と運用が連携して協力する開発手法)チームを設置してシステムをモニタリングし、停止中に問題を修正する必要がある。

しかし、Blockchain Node Engineはフルマネージドサービスのため、Google Cloudでノードをアクティブにモニタリングし、問題が発生した場合はノードを再起動する。専任のDevOpsチームの必要性を減すことで、チームがインフラストラクチャではなく、ユーザーに集中できるようにする。

なお、詳細については「Google Cloud for Web3」で紹介している。