クラウド型経費精算システム「楽楽精算」を開発・提供するラクスは10月27日、全国の経理担当者864人を対象に実施した電子帳簿保存法に関する調査結果を発表した。2023年12月末まで宥恕期間となっている、「電子取引データの保存」だけではなく、帳簿書類の保存、スキャナ保存においても対応が進んでいない状況が明らかになった。
電子帳簿保存法において電磁的記録による保存は、帳簿書類の保存(帳簿・書類を電子データで保存)、スキャナ保存(紙で受領・作成した書類を画像データ化して保存)、電子取引データの保存(電子的に授受した取引情報を電子データのまま保存)の3区分に分かれている。
同調査結果によると、子帳簿保存法に「則して運用している」と回答した企業の割合は、帳簿書類の保存が22.9%、スキャナ保存が17.6%、電子取引データの保存が21.4%となった。すべて「則して運用している」と回答した企業の割合は15.3%となり、84.7%の企業は未だ対応ができていない状況が判明した。
また、「電子帳簿保存法に即した運用を検討している/いずれは検討したい」と回答した企業に、対応予定時期について調査したところ、電子取引データの保存の宥恕期間が終了する「2023年12月末まで」に対応予定とした企業は、帳簿書類の保存が44.4%、スキャナ保存が45.1%、電子取引データの保存が43.8%という回答結果となった。それぞれ「2023年2月末以降」、「分からない」と回答した企業は50.0%を超えており、対応が進んでいない状況が明らかになった。
さらに、3区分すべて「2023年12月末まで」に対応予定とした企業は41.5%となった。残りの58.5%は対応の予定が立っていない結果となり、企業の対応促進が求められている。
2023年12月末で宥恕期間終了となる電子取引データの保存。2023年10月にはインボイス制度開始も控えており、電子帳簿保存法へ対応が必要な時期と重なる。企業の対応準備は大きな負荷が予測されるため、早期に準備を開始することが求められると同社は指摘している。