ソフトバンクの子会社であるBOLDLYは10月24日、レベル4の自動運転シャトルの設計・製造を行うエストニアのAuve Techと戦略的協業に合意したと発表した。これにより、Auve Techが2022年10月21日に発表した自動運転レベル4対応の新型自動運転車両「MiCa(ミカ)」の、日本仕様車の開発を進める。
BOLDLYは自動運転などを活用した持続可能な公共交通の実現に向けて取り組んでおり、これまでに国内外で合計120回以上の実証実験を実施しているほか、日本において2カ所で自動運転バスの実用化を達成している。また同社はすでに、レベル4の自動運転シャトルとして、フランスのNavyaが開発する自動運転バス「ナビヤアルマ」の日本展開を開始している。
今回開発を進めるMiCaの日本仕様車は、障害物回避機能を搭載する予定。車両に搭載した7台のLiDARセンサー(レーザー光を使ったセンサーの一種)および8台のカメラで周辺環境を把握し、障害物を検知して自動で回避するため、完全自律型の無人運転が可能という。
全長4,2メートル、全幅1,8メートル、全高2,5メートルと比較的コンパクトでありながら、最大8人が乗車できます。小回りが利くため、狭い道路での走行にも適している。また、急速充電モデルでは約1時間で充電が完了するため、1台の車両で運行時間を拡大できる。
最新のセンサーとソフトウエアを搭載しており、積雪や豪雨などの環境下でも走行可能で、ステアリング、ブレーキ、コンピューター、センサーなどの安全に関するすべてのシステムを冗長化し、車両故障のリスクや発生を最小限に抑えるとのことだ。
BOLDLYは、2022年度中にMiCaの日本仕様車を導入し、BOLDLYが開発した運行管理プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」と接続して、2023年度中に日本の公道で走行させることを目指す。
BOLDLYは、MiCaに車両のアーキテクチャーに日本の技術が生かされている点や、日本の保安基準を理解して設計されている点などを受けて、Auve Techとのパートナーシップの締結に至ったという。BOLDLYは今後、日本の交通事業者と連携しながらAuve Techのモビリティを運用し、政府が目標として掲げる『2025年度までに40地域での自動運転移動サービスの実装』の実現につなげていく考えだ。
Auve Techの共同設立者 兼 CEOのJohannes Mossov(ヨハネス・モッソヴ)氏は、「私たちが目指すのは、マイカー通勤を超えた都市型通勤だ。自律走行型のラストワンマイル車両は、閉鎖区域や混雑した交通環境において、安全でスマート、かつ持続可能な代替交通手段を提供することでラストワンマイル輸送を強化し、交通セクターの効率化に重要な役割を果たすことができる」とコメントしている。