シスコシステムズ、JTOWER、三井情報、エアースパン・ジャパンの4社は10月18日、JTOWERが提供する「ローカル5G共用装置」とシスコのハイブリッド・クラウド型ローカル5Gコア・ネットワークである「Cisco Private 5G」および、Airspanの基地局で構成したオープンRAN(無線アクセス・ネットワーク)環境での実証実験に成功したと発表した。

  • 接続試験の構成

ローカル5Gの導入には、企業や自治体が各自で通信設備を用意する必要があり、設備投資や装置の設置工事などの投資が導入時の障壁になっているという。

JTOWERが提供するローカル5G共用装置では、ローカル5G(第5世代移動通信システム)対応の光中継DAS(Distributed Antenna System)により、基地局から届く電波をデジタル信号に変換し、光ケーブルによって分配することで、ビルや工場などの大規模な建物内や地下空間などで、効率的にネットワークを構築できるという。

また設備の一部は、携帯キャリアや複数のローカル5G事業者での共用もできるため、省スペース化、省電力化、資材や工事工数の削減などが可能としている。

Cisco Private 5Gも、複数のローカル5G事業者で管理機能を共用するハイブリッド・クラウド型で提供し、Airspanでは5G基地局を構成するRU(Radio Unit)、DU(Distributed Unit)、CU(Central Unit)を単一筐体で提供する基地局の販売を予定しているため同様の効果が期待でき、企業や自治体のローカル5G導入時の負担をさらに軽減するとのこと。

今回の取り組みでは、シスコおよびAirspanのパートナーであり、ローカル5G導入実績を持つ三井情報が、無線技術を必要とする環境構築や実験実施について全面的に支援したという。

  • ローカル5Gネットワーク(End to End)の実現イメージ

今回の成果として4社は、オープンRAN基地局などによる異なるベンダー間の相互接続の実現および、効率的なネットワークの構築の2点を挙げる。

この取り組みを通じ、4社が協力して日本国内におけるローカル5G設備のインフラシェアリングを促進することで、資材および工事工数の削減、省電力化などにより環境負荷を低減するサステナブル(持続可能)なローカル5Gの提供を目指す。