シャープは9月14日、総務省の「令和4年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証等(端末システム試作事業)」の公募において、「過酷なフィールドでの利活用を想定した防水・防塵・小型USBドングル端末の試作」を提案し、7月25日に採択されたことを発表した。

  • 試作予定のローカル5G対応端末(イメージ)

    試作予定のローカル5G対応端末(イメージ)

同社は、防水・防塵性能を備えた手のひらサイズの小型USBドングル型ローカル5G対応端末の試作を提案した。パソコンなどの機器とUSBケーブルで接続できるようにすることで、機器から離れた場所にも5G対応端末の設置が可能となるなど、設置の自由度向上を見込んでいるという。

風雨を避けるために密閉空間に設置するなどの対応が不要となることに加え、障害物を避けて設置しやすくなることで通信品質の向上も目指す。米国国防総省の調達基準であるMIL規格(MIL-STD-810H)に準拠し、屋外の厳しい使用環境下での高い堅牢性と耐久性の実現を図る。

産業用途として要望の声が多いアップリンク(上り)高速通信を可能にする「2×2 MIMO」にも対応し、ローカル5G試験エリア内での試作機を用いた検証も予定。24時間監視が必要な建設・工事現場における屋外監視カメラからの高精細映像の伝送や、建設機械の遠隔操作など、さまざまな分野・用途でのローカル5Gの活用に貢献していくとしている。

試作機の主な仕様は、ローカル5Gバンドがn79、サイズがW42×D87×H34mm、重さが約102g。ネットワーク方式は5G SA(Standalone)、チャネル帯域幅は100MHz、MIMO対応(n79)は下り 4×4 / 上り 2×2、防水対応はIPX7(専用USBケーブル使用時)、防塵対応はIP6X(専用USBケーブル使用時)、MIL規格はMIL-STD-810H準拠(14項目)。