ゼロボードは8月24日、同社が注力していたという自動車・化学品領域を中心とする製造業向けの算定機能に加え、業界特化型のGHG(温室効果ガス)排出量算定・可視化ソリューションとして、物流業界向けの「zeroboard logistics(ゼロボード・ロジスティクス)」および、建設業界向けの「zeroboard construction(ゼロボード・コンストラクション)」の構想と、2023年中の正式リリースに向けて開発に着手したと発表した。

  • 開発中ソリューションのロゴ

同社が開発・提供するGHG排出量算定・可視化クラウド・サービスである「zeroboard」は、自社のエネルギー利用に由来するGHG排出量(Scope1・2)と、自社以外のサプライチェーン排出量(Scope3)の算定が可能といい、現在1800社を超える企業が利用しているという。

  • GHGプロトコルにおけるScope1・2・3の分類

また、Scope3の算定に使用する排出原単位について、サプライヤーの実績値(1次データ)を収集する労力を大幅に削減するデータ連携機能を提供しているとのこと。同機能は、サプライヤーを巻き込んだGHG排出量削減につながり、脱炭素社会の実現に大きく貢献すると同社は考えている。

今回、脱炭素経営支援の充実化を図るべく、多重下請け構造でサプライチェーン全体の算定が難しい物流業界・建設業界に特化したソリューション開発に着手した。

開発中の物流業界向けソリューションであるzeroboard logisticsについては、多重下請け構造に対応できるデータ連携機能、物流センター/輸送種類/荷主ごとなど各種個別算定と、輸送だけでなく保管も見据えた、多角的かつ企業任意の粒度での算定が可能となる機能を開発している。

また、国内物流に加えて国際物流にも対応予定で、TMS(Transport Management System)やNACSS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System)などとの連携についても検討しているとのことだ。

建設業界向けのzeroboard constructionでは、まずは建設事業者の管理システムやIoTデバイスとのデータ連携、作業日報などからのデータ収集により、建設現場全体のGHG排出量を日時単位で算定・可視化することで、正確かつタイムリーな建築物単位でのGHG排出量算定の機能開発を行うとしている。

また、工期中の建設事業者のPR・広報活動や、排出量の管理・改善に資する機能についても検討しているという。