富山大学は8月5日、「子供の入眠困難と生活習慣の短期的及び長期的関連要因」について、富山スタディのデータを用いて分析し、短期では、中学1年生時の生活習慣と入眠困難との関連、長期では、中学1年生時の生活習慣と高校1年生時の入眠困難との関連を分析し、その結果を発表した。

同成果は、富山大 地域連携推進機構 地域医療・保健支援部門の藤村裕子コーディネーターらの研究チームによるもの。詳細は、日本小児科学会が刊行する子供の健康に関する全般を扱う欧文学術誌「Pediatrics International」に掲載された。

コロナ禍によって子供も大人も生活習慣が乱れたり、さまざまなストレスがかかったりして、精神的にも身体的にも大変な時期が長く続いている。そのため、さまざまな影響が出ている可能性が予想される。

今回の分析結果では、まず短期的には、男子では、短い睡眠時間・長い睡眠時間・少ない運動時間・長いゲーム時間・低い自己肯定感との関連が見られたという。一方の女子では、短い睡眠時間・長い睡眠時間・寝室の不快な環境・長いゲーム時間・腹痛・慢性疾患・第二次性徴・精神的な悩み・登校回避感情との関連が見られたという。

  • 入眠困難(入眠潜時30分以上)と生活習慣の短期的関連(男子)

    入眠困難(入眠潜時30分以上)と生活習慣の短期的関連(男子) (出所:富山大プレスリリースPDF)

  • 入眠困難(入眠潜時30分以上)と生活習慣の短期的関連(女子)

    入眠困難(入眠潜時30分以上)と生活習慣の短期的関連(女子) (出所:富山大プレスリリースPDF)

また、長期的には、男子では、ひとり親・低い自己肯定感との関連が見られ、女子では、朝食の欠食・長いゲーム時間・慢性疾患・肥満・第二次性徴・登校回避感情との関連が見られたとする。第二次性徴については、6年生で開始のグループは、入眠困難になりにくい傾向が見られたという。また、ひとり親については、置かれている社会的・経済的状況について、慎重なさらなる分析が必要としている。

  • 入眠困難(入眠潜時30分以上)と生活習慣の長期的関連

    入眠困難(入眠潜時30分以上)と生活習慣の長期的関連 (出所:富山大プレスリリースPDF)

なお今回の研究成果に基づき、研究チームでは、「眠育」動画を小学生(高学年)版、中学生版、大人版の3種類作成。そのほか「睡眠導入用ストレッチ」動画も作成され、これらはみなYouTubeの「国立大学法人富山大学 地域連携推進機構 地域医療・保健支援部門 公式チャンネル」で公開されている(富山大学公式チャンネルとは別)。

『眠育』小学生(高学年)版動画

『眠育』中学生版動画

『眠育』大人版動画

睡眠導入ストレッチ 【Good Sleep】~ ぐっすりストレッチ 上半身ver. ~

睡眠導入ストレッチ 【Good Sleep】~ ぐっすりストレッチ 下半身ver. ~

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