セーフィーは8月4日、新製品発表会を開催し、エッジAIカメラ「Safie One(セーフィー ワン)」を発表した。発表会では製品のデモンストレーションのほか、発表に先立って実施した店舗運営実証実験の結果報告、お笑い芸人・カミナリが登壇しての疑似遠隔店舗運営体験などが行われた。

  • (左から)お笑い芸人 カミナリの竹内まなぶ氏と石田たくみ氏、セーフィー 代表取締役社長CEOの佐渡島隆平氏

創業時からの思いが結集した“賢くなる”カメラ

Safie Oneは、エッジAIを利用したアプリケーション「AI-App(アイアップ)」をインストールすることで使用できるカメラだ。AI-Appの第1弾として、小売・飲食での店舗運営をサポートする「Store People Detection Pack(ストア ピープル ディテクション パック)」を提供する。このパックには、立ち入り検知や通過人数カウント、立ち入りカウントの機能があり、店舗の来客人数や混雑状況を可視化できる。また、LTEアタッチメントを利用することで、モバイルデータ通信にも対応。Bluetoothのヘッドセットやスピーカーに接続すれば、インタラクティブな通話も行える。

同社 代表取締役社長CEOの佐渡島隆平氏は創業時から、「『誰もが簡単に使える』『(使うほど)賢くなる』カメラをつくりたい」という思いがあったことを明かし、「ようやく8年かけて実現しようとしています」と、説明した。

実店舗での実証実験を実施

今回の新製品発表に先立ち、セーフィーは、埼玉県を中心にスーパーマーケットを展開するベルクと共同で、Safie Oneによる店舗業務実証実験を行った。

ベルクでは従来、既存の設置カメラで売り場の陳列状態や売れ行きの確認、バックヤードでのオペレーション確認を行っていた。しかし、店舗スタッフは業務の対応に追われ、映像を見る時間を割けないという課題が存在していたという。その解消に向け、今回ベルクフォルテ我孫子店にて行われた実証実験では、店内に合計4台のSafie Oneが設置された。

立ち入りカウントによる検知の実証実験では、お惣菜・お弁当エリアを俯瞰できる場所にSafie Oneを設置。エリアを4分割したゾーン計測を行い、適切な陳列と補充ができているかを検証した。この検証で、エリアにおける顧客の流れが把握できたほか、購買行動に合わせた商品配置への変更にもつながったという。ベルク 取締役 システム改革部長の原田裕幸氏は「今回の実証実験は、今後の販売力向上につながるヒントが見えた一歩だ」と語り、今後はSafie Oneの検知データとPOSデータを連携し、より統合的な数値の可視化や、効率的な配置・補充によるフードロスへの貢献も行っていくと語った。

  • お惣菜・お弁当エリアでのSafie One画像。AI分析により、人の動きが分かったことで、商品の配置場所も調整した

発表会の終盤では、お笑い芸人 カミナリの竹内まなぶ氏と石田たくみ氏が登壇。実家がスーパーを経営しているという竹内氏が、スーパーに模した空間とSafie Oneを介したインタラクティブな通話を体験する場面もあった。

  • スーパーに模した空間とSafie Oneを介してインタラクティブな通話が行われた

Safie Oneは9月28日からの発売が予定されている。