ブロードコムとSB C&Sは、7月27日、ブロードコムがシマンテックを2019年11月に買収して以降初となるメディアカンファレンスを実施し、シマンテックの軌跡とこれからについて語った。ブロードコムからシマンテックの製品管理責任者であるマイケル・ダビンスキー氏、SB C&SからICT事業本部 ネットワーク&セキュリティ推進本部 N&Sソリューション販売推進統括部 販売推進2部部長の山田尊則氏が登壇した。

初めに登壇したマイケル・ダビンスキー氏は、シマンテック製品の特徴を説明した。

  • シマンテック製品の特徴を説明するマイケル・ダビンスキー氏

ダビンスキー氏は「ブロードコムは非常に『エンジニアリングのイノベーションのフォーカス』しています。特にシマンテックに関しては売り上げの20%をエンジニアリングへの投資に回し、顧客満足度の高いサービスを提供することを目標にしています」と、シマンテックの技術にかける想いを語った。

シマンテックは、統合されたエンタープライズソリューションを立ち上げるため、さまざまな企業と協業した歴史があり、現在1,400名のエンジニア、300名を超えるセキュリティ研究者、2,000件以上の特許などを有しているという。

実際にこの技術は高い評価を受けていると言い、世界の銀行上位18行、また世界の通信企業上位10社、世界の自動車メーカー上位10社のすべてにシマンテックのセキュリティが導入されているという。

特にブロードコムとの合併後はイノベーションが加速したと言い、「包括的なエンドポイントセキュリティ」「クラウドへの移行の簡略化」「卓越したユーザーおよび管理エクスペリエンス」「BYODクラウドセキュリティ」の提供が可能になったという。

これにより大企業の代表的なセキュリティユースケースである「コンプライアンスの遵守」「リモートワーカーの安全な作業を実現」「企業を標的にする新世代の攻撃(標的型ランサムウェア・サプライチェーン攻撃)の防止」といった課題を解決することができるのだという。

ダビンスキー氏は最後に「これまでのシマンテックの軌跡にとてもわくわくしていると共に、今後日本のパートナーやお客様と作っていける未来によりわくわくしています」と今後の日本での活動に力を入れていくことを示唆していた。

続いて、SB C&Sの山田氏が登壇し、SB C&Sとシマンテックの関わりについて説明を行った。

  • 日本での展開を語る山田氏

SB C&Sは、シマンテック内で「日本特有の商習慣」「日本人サポート」「日本に即したマーケティング」など日本固有事案への適応を担当しており、ブロードコム公認の「アグリゲーター(プロジェクトの遂行に必要なリソースを企業の枠を超えて集積・統制する役割)」として、日本でのビジネスを牽引しているという。

組織体制としては、シマンテックのみに特化した兼務対応なしのスタッフが32名在籍しており、販売推進営業が9名、プリセールスエンジニアが5名、マーケターが2名、インサイドセールスやバックオフィス業務などが16名の体制になっているという。また日本国内の購入に関しては購入後のサポートもSB C&Sが担当しており、28名体制で対応に当たっているのだという。

現在は「Symantec Endpoint Security Complete(SESC)」という、働く場所、モノを問わないエンドポイントの統合セキュリティの販売を強化しており、SESCに対応したSOCサービスが8月上旬に発売開始されるという。

山田氏は、今後シマンテックをより広めていくために「お客様に『ユーザー様のためのもう1つの選択肢』を提案し、ベネフィットを提供していきたい」と今後の展望を語っていた。