DigitalBlastは7月20日、2024年に計画している国際宇宙ステーション(ISS)でのビール酵母の培養実験の実施に向け、月面の1/6Gなどを再現できる同社の重力発生装置「AMAZ(アマツ)」の利用に加え、宇宙実験に向けた技術サポートや宇宙ビジネスに関する知見を活かした総合的なプロモーション支援などについて、クラフトビールの醸造や販売を手がけるシクロと業務委託契約を締結したことを発表した。

AMAZは、人類の月面進出を見据え、月面での生態循環維持システム構築に向けた、DigitalBlastのプロジェクト「NOAH」の第一歩の位置づけとなる装置で、現在プロトタイプが披露されている。同装置は企業や研究機関などに実験環境として提供する計画で、シクロは今回の契約締結により、民間企業初のAMAZの利用事業者となる。

AMAZは、装置の一部を回転させることで、遠心力を利用して月面と同じ1/6Gをはじめとする、多様な重力環境を再現することが可能なほか、遠心力を発生させるカプセル状の機構は装置内に複数用意されているため、異なる重力環境を再現しての同時比較実験も行えるという。

なお、ISSにおける、複数の重力環境および微小重力環境でのビール酵母の比較培養実験は初の試みとなり、新たなデータが取得できる可能性が期待されるという。

  • AMAZで複数の回転機構が回転している様子

    AMAZで複数の回転機構が回転している様子 (出所:DigitalBlast Webサイト)