MicrosoftのVisual Studioエンジニアリングチームは7月11日、C++ Team Blog「VS2022 Performance Enhancements: Faster C++ Development」において、Visual Studio 2022(以下、VS2022)の次期バージョンではC++アプリケーション開発のエクスペリエンスがさらに高速になるとアナウンスした。

Microsoftでは現在、2022年末までの正式リリースを目指してVS2022のバージョン17.3の開発を進めている。この次期バージョンのC++開発ツールでは、インデックスの作成やコードの色付けなどのパフォーマンスが大幅に高速化し、開発効率の向上につながるという。

C++ Team Blogでは、VS2022 17.3のC++開発ツールにおける3つの大きなパフォーマンス改善が紹介されている。1つはインデックスの作成速度である。Chromiumのコードリポジトリでテストした結果、Visual Studio 2019 16.11では約26分かかっていた全インデックスの作成処理が、17.3では6分強に短縮され、約4.17倍の高速化を実現したという。

  • VS2022 17.3におけるインデックス作成の高速化(引用: C++ Team Blog)

    VS2022 17.3におけるインデックス作成の高速化 引用:C++ Team Blog

2つ目はソースコードの色付け処理の高速化だ。Unreal Engine 5のソースコードでテストした結果、17.3ではコールドスタートから色付けが完了するまでにかかった時間は7.6秒で、これは16.11と比較すると約4.3倍高速化されているという。

  • VS2022 17.3におけるコードの色付けの高速化(引用: C++ Team Blog)

    VS2022 17.3におけるコードの色付けの高速化 引用:C++ Team Blog

3つ目は[移動]コマンドを使ったコードの検索と移動のエクスペリエンスの向上である。VS2022では[Ctrl]+[T]キーまたは[Ctrl]+[,]キーを入力すると、エディタの右上に「Go to All」という小さい検索ボックスが表示され、検索キーワードを入力してヒットしたコードの該当箇所に素早く移動することができる。このGo to Allに検索キーワードを入力した場合、従来は入力が完了してから検索結果が表示されていたが、17.3では入力中にリアルタイムに検索が行われて結果が表示される。

VS2022 17.3は現在プレビュー版が公開されており、次のページからダウンロードして試すことができる。開発チームでは、プレビュー版を通じて広くフィードバックを募集しているとのことだ。