ソフトバンクと香川大学は7月5日、知的・発達障がいのある児童が安全に公共交通機関を利用できる環境を、ICT(情報通信技術)を活用することで実現する実証実験を実施したことを発表した。
知的・発達障がいのある人の中には、いつもと違う環境になると外出時に全体の見通しが持てず、不安を感じたりパニックになってしまったりするため、1人で公共交通機関を利用して外出することをためらう人がいるという。
同実証実験では、ソフトバンクが提供するアプリ「アシストガイド」を活用。同アプリは、保護者や支援者が、子どもの「やること」「やりかた」をアプリに登録することができ、子どもはその日に「やること」を一つずつ順番に確認することができる。
どのような手順でガイドをすれば、知的・発達障がいのある児童が1人で路線バスを利用して通学経路を移動できるかを検証した。
知的・発達障がいのある児童がアシストガイドを活用した結果、通常運行している高松市内の路線バスを利用して、高松駅と養護学校を往復する実際の通学経路を1人で移動することができたという。
実験に参加した保護者からは「バス以外にも臨機応変に使えるように、継続的に練習をしていきたい」といった声が寄せられている。
香川大学とソフトバンクは、知的・発達障がいのある児童が1人で公共交通機関を利用することに対する不安を払拭することで、知的・発達障がいのある人の就学や就職、余暇における生活の質を向上させることを目指す。ソフトバンクは今回の実験で得られた成果を踏まえ、アシストガイドの機能を拡充していく方針だ。