6月22日から24日まで東京ビッグサイトで開催された「日本ものづくりワールド」内の「第34回 設計・製造ソリューション展(DMS)」で、ミスミは、機械部品の見積もりや製造をデジタル化する部品調達サービス「meviy(メビー)」を、操作デモンストレーションとともに紹介した。
ものづくりの現場が抱える機械部品の課題
ものづくりの現場では、サイズや形状が特殊な機械部品の調達が不可欠となる。これらの調達の際には特注品としての注文が必要だが、発注に必要な2D図面の作成や見積もりなどの作業によって、部品が届くまでに長い時間と労力を要する。また、図面作成において属人的要素が大きい点や、紙でのやり取りへの慣れから、DXや自動化への需要はあるものの、思うように進んでいなかったという。
これらの課題解決に向け、ものづくりとECの両面にノウハウを持つミスミは、機械部品の調達をデジタル環境で完結するmeviyを開発。今回のブースでは、同サービスで製造された部品の展示とともに、meviyを使った機械部品発注の実演が行われた。
meviyのサービスをブースで実演
meviyでは、機械部品向けの「FAメカニカル部品」と試作品製造用の「ラピッドプロトタイピング」の2サービスが利用可能。今回は、FAメカニカル部品の発注が実演された。
見積もりを行う際は、meviyに3D CADデータをアップロードする。この時平面図面のデータは不要で、3Dデータが自動で設計データに変換される。また、FAメカニカル部品の製造では板金加工とマシニング加工(切削プレート)と2つの製造方法に対応しており、それぞれの方法での製造可否も自動で判定される。
製造部品の詳細は、3Dデータで編集が可能。部品の材質や表面処理の方法が選択でき、製造過程における誤差の許容範囲である公差も、詳細に設定できるとのことだった。また、2Dの図面データが社内の確認などで必要となった場合でも自動で出力することも可能だ。
データ設定の完了後、納期・製品の型番・見積額などが表示される。納期の指定や数量の変更などを行い、カートへ追加することで、購入手続きに進むことができる。一般向け通販サイトに近いUIで、操作が分かりやすい構造が意識されているとのことだった。
ミスミが描く今後のものづくりとDX
ミスミのブース担当者によると、高齢化が進む製造業の現場では若手の育成が急務であり、短期かつ手軽に、そして直感的な操作で機械部品の注文が行えるmeviyは、若手教育のツールとしても活用されているという。
「未だ紙文化が根強い製造業の現場ではあまりDXが進んでいないが、ミスミとしては、meviyのような使いやすいサービスを提供し、広く普及させることで、業務効率化に貢献しながらものづくりを支えていきたい」と担当者は語っている。