アリババクラウドは7月1日、企業の事業活動や製品生産に伴う炭素排出量を測定し分析・管理できるサステナビリティプラットフォーム「Energy Expert(エネルギー・エキスパート)」をグローバル市場向けに提供を開始したことを発表した。

同プラットフォームはクラウドベースのSaaS(Software as a Service)型ソリューションであり、実用的なインサイトや省エネルギー対策に向けたレコメンデーションを提供して、ビジネスにおけるサステナビリティの取り組みを支援するという。

企業および製品レベルでのカーボンアカウンティング(炭素会計)や報告プロセスを自動化し、サステナビリティに影響を与えうる情報をリアルタイムで提供するため、ユーザー企業の意思決定をサポートするとのことだ。また、カーボンニュートラルの国際規格である「PAS 2060」および「ISO 14064」に基づいて、日々の事業活動や製品のライフサイクル全体から排出される炭素の発生源の特定もできるようになる。

同プラットフォームは、公的な排出係数データセットと独自のデータセットを活用して構築された計算モデルによりカーボンフットプリントを定量化するほか、ダッシュボード機能やオンラインレポートにより、リアルタイムに可視化された炭素排出パターンやサステナビリティパフォーマンスの進捗状況を可視化する。

  • 「エネルギー・エキスパート」のオンラインレポートのイメージ

    「エネルギー・エキスパート」のオンラインレポートのイメージ

加えて、アリババクラウド上でホストされるディープラーニングベースのAI(Artificial Intelligence:人工知能)モデルを活用して、エネルギー効率と排出量を予測する分析サービスを提供する。

さらに、環境への影響を抑えながらビジネス成長とのバランスを考慮した推奨事項や最適化プランも提供するという。例えば、クリーンエネルギーの利用拡大、ピーク時の過剰な電力消費の削減、材料の調達から製品の出荷に至るサプライチェーンの最適化などだ。