文部科学省は6月28日、令和3年に公募したスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」Society 5.0推進利用課題に、ライフインテリジェンスコンソーシアム(LINC)が申請した『「富岳」を基軸とした創薬DXプラットフォームの構築』を採択したことを発表した。7月1日より2年間の実証研究が開始される。

  • スーパーコンピュータ「富岳」

    スーパーコンピュータ「富岳」

令和3年より、Society 5.0の実現に資する成果を「富岳」を用いて早期に創出するため、産学官の連携の取組を重視した「富岳」Society 5.0 推進利用課題の公募を開始し、審査の結果、ライフインテリジェンスコンソーシアム(LINC)が申請した研究課題『「富岳」を基軸とした創薬DXプラットフォームの構築』を採択した。

同課題では、これまでに理化学研究所(理研)、京都大学(京大)、医薬基盤・健康・栄養研究所(医薬健栄研)等で開発してきた「創薬ターゲット探索」から「リード化合物創出」に至る創薬フローを構成するハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)/AI技術を「富岳」に実装することで、HPC/AI創薬プラットフォームを構築するための試験研究を行うという。

加えて、創薬において重要な探索ステップである「化合物スクリーニング」と「創薬ターゲット探索」について、「富岳」を用いた海外メガファーマの100倍規模の数10億化合物で行う「超大量仮想スクリーニング」の実現と「大規模ネットワークデータベース」を構築し、それらを統合して製薬企業等のライフ系企業・アカデミアへ提供することを目指すということだ。

研究期間(2022〜2024年)に、データベース構築及びプラットフォームの「富岳」実装とLINC参加企業による評価を含む小規模技術実証を行い、2024年度には、「富岳」有償利用の枠組みを用いてLINCに参加する製薬企業等のライフ系企業・アカデミアによりテスト運用を行う。2025年度には民間の商用クラ ウド上に「富岳」同様の環境を作り、有償サービス化してLINC外の製薬企業等のライフ系企業・アカデミ アにも提供し、本格運用することを目指すという。

将来的には同プラットフォームが商用クラウド上でサービス化され、医薬品開発の効率化、創薬分野における国際競争力の強化につながり、Society 5.0が目指す健康・医療分野での個々人への最適な治療を提供するために必要な薬物の早期提供に貢献し、製薬だけでなくライフサイエンス分野へ幅広く波及して国民の健康長寿増進に資 することが期待できるとしている。