NTTデータ、オムロンヘルスケア、三井不動産、リンクアンドコミュニケーションは6月20日、2022年7月1日に開業する「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」に滞在するがん患者向けにデジタル技術を活用したバイタルデータ管理サービス「Health Data Bank for Medical」と、食事管理サービス「カロママ プラス」の提供を同日から開始すると発表した。同ホテルは、国立がん研究センター東病院の敷地内に立地し、がん患者と家族を24時間サポートする滞在環境を提供する。

同サービスは、柏の葉スマートシティに関わる生活者の豊かな暮らしを支えるサービスを紹介するポータルサイト「スマートライフパス柏の葉」で提供されるもの。

「スマートライフパス柏の葉」は、柏の葉に関わる生活者を対象に、複数のヘルスケア関連サービスを利用できるポータルサイトとして2020年にサービスを開始。同サービスでは、登録したユーザーが日々の健康管理や健康アドバイスなどのサービスを利用できるだけではなく、独自開発したネットワーク環境「Dot to Dot」を活用することで、提携サービス間におけるパーソナルデータの連携が可能となり、データ連携による新しいサービスを利用できるという。

  • スマートライフパス柏の葉の概念図

今回、サービスが提供開始になるNTTデータの「Health Data Bank for Medical」は、ホテル内で患者にオムロンヘルスケアの医療デバイスやウエアラブルデバイスを貸与してバイタルデータを記録し、アプリから自身で参照できるようにするもの。チェックアウト後も、自身でデバイスを用意することで、帰宅後も継続してアプリによる計測データの保存・管理・閲覧が可能。また、本人同意のもと、記録したデータを国立がん研究センター東病院の医療従事者やホテルの従業員が閲覧できるようにするという。

  • バイタルデータ管理「Health Data Bank for Medical」

また、リンクアンドコミュニケーションの「カロママ プラス」は、食事・運動・睡眠などの情報をもとに、パーソナルAIコーチ「カロママ」が実用的なアドバイスをするアプリ。今回、国立がん研究センター東病院、三井不動産と共同でがん患者向けの「食事療養コース」を開発し、抗がん剤の副作用やがん種、毎日の体調をアンケート形式で入力することで、食事のアドバイスを提供する。さらに、ホテルの宿泊者専用ラウンジにITコンシェルジュが常駐し、同サービスやスマートフォンの操作方法などの相談を受けられるコミュニティー機能も備えているという。

  • 患者向け食事管理機能「カロママ プラス」

4社は将来的に、患者の同意の下、「Dot to Dot」の利用により得られたデータやノウハウを、新たな患者向けのサービス開発に活用して、連続的な価値創造を目指す方針。