ゆうちょ銀行は5月31日、社内向け問い合わせ対応業務の効率化を目的として、富士通のAI(Artificial Intelligence:人工知能)技術を活用したナレッジサービス「FUJITSU Cloud Service Know-Flow DX」(以下、Know-Flow DX)を全国の郵便局で利用開始したことを発表した。

同行は233店舗および同行の商品サービスを取り扱う一部の郵便局に同サービスを2022年1月に導入し、チャットボット機能を利用してきた。さらに順次郵便局でのサービスの利用範囲を拡大して、5月30日から全国約2万4000局の郵便局で利用を開始したとのことだ。

同行のパートナーセンターは、店舗社員および貯金窓口を担当する郵便局社員(貯金窓口担当社員)からの問い合わせに対応しているが、同サービスの導入により、パートナーセンターで蓄積された商品サービスに関するFAQを店舗や郵便局とチャットボット形式で共有できるようになり、貯金窓口担当社員が直接検索可能になったのだという。

これにより、パートナーセンターへの問い合わせ件数を削減し、オペレーターの負荷が軽減可能となった。また、全国の貯金窓口担当社員が整備されたFAQを活用することで、業務スキルを平準化し、利用者への速やかな対応を実現するなど、さらなる満足度向上も見込めるとのことだ。

  • ゆうちょ銀行の問い合わせ対応業務へのAI活用イメージ

    ゆうちょ銀行の問い合わせ対応業務へのAI活用イメージ

同行のパートナーセンターへの貯金窓口担当社員からの電話問い合わせは1日あたり約1万8000件にも上る。そのため、広範かつ複雑で、膨大な問い合わせに対する迅速な回答が課題になっていたという。そこで同行は富士通の「FUJITSU Software Contact Center Knowledge Assistant」(以下、Contact Center Knowledge Assistant)を導入し、オペレーターの負荷軽減と応対スキルの平準化に取り組んできた。

今回は「Contact Center Knowledge Assistant」で蓄積したFAQを、貯金窓口担当社員向けにチャットボット形式で共有できる「Know-Flow DX」を導入し、さらなる業務効率化を図ったのだという。

パートナーセンターでオペレーターが貯金窓口担当社員から電話問い合わせを受けた際には、その応対内容が「Contact Center Knowledge Assistant」の音声認識機能でリアルタイムにテキスト化され画面に表示される。調べたい内容を含む会話ブロックを検索文としてクリックすると、回答候補が確認できるようになる。さらに、同一画面で応対記録も作成できるため、入電から電話応対、FAQ検索、記録作成までの一連の業務を一画面で完結可能だ。

  • ゆうちょ銀行パートナーセンターのオペレーターの操作画面

    ゆうちょ銀行パートナーセンターのオペレーターの操作画面