Arcserve Japanは5月23日、中規模以上のシステム群のデータ保護を目的として、ランサムウェア対策に有効なイミュータブル(不変)ストレージ「Arcserve OneXafe4500シリーズ」を6月6日から発売を開始するとして、製品発表会を開催した。

ランサムウェア攻撃からデータを守る「Arcserve OneXafe4500シリーズ」

発表会では、初めにArcserve Japan職務執行者社長の江黒研太郎氏が登壇し、「Arcserve OneXafe」の概要や歴史を紹介した。

  • Arcserve Japan 職務執行者社長 江黒研太郎氏

「Arcserve OneXafe」は、バックグラウンドで定期的に変更不可能なスナップショットを取得することで、ランサムウェア攻撃や不正アクセスによりデータに改ざんや削除があっても、スナップショットを使って正常時の状態に復旧することができるストレージ。2021年3月にStorageCraftを買収したことで拡充した新しい製品群となる。

スナップショットは、 共有を作成する際に指定する保持期間(Retention Period)に従って保存される。 バックアップ データがOneXafeの共有領域に書き込まれると、90秒おきにスナップショットを取得。万が一バックアップ データが破壊された場合でも、 スナップショットにより、 破壊される前の状態に復旧することができる。

また、「Arcserve OneXafe」では、 1つのデータブロックを3つのHDDに書き込むため、 同時に2つのドライブに障害が起きてもデータはなくならない。「Arcserve OneXafe」に保存されるデータは自動で重複排除と圧縮が行われるため、 ストレージの容量を効率よく利用できるほか、 10 GbEのネットワーク ポートを搭載しているため、 大容量のデータも高速にバックアップできる。

加えて、「Arcserve OneXafe」は、バックアップソフトウェア「Arcserve UDP」、「Arcserve Backup」のバックアップ先としての利用に加え、バックアップアプライアンス「Arcserve UDP Appliance」の二次バックアップストレージとしても利用できる。

「Arcserve OneXafe」はクラウドベースの管理コンポーネント「OneSystem」により管理され、 共有フォルダやスナップショットを容易に設定できる。

「Arcserve OneXafe」の強みは、Arcserve UDPやArcserve Backupの運用に変更を加えることなくランサムウェア対策を強化できる点と、ハードウェアとソフトウェアの技術サポートをArcserve Japanがワンストップで提供できる点にある。

江黒氏は、海外でも実績があり、発売前からすでに導入を決めている顧客もいるという同製品について「初年度の売り上げは100台を目指したい。この100台という数字も必ず達成できる」と力強く目標を掲げていた。

データを守るには「3‐2‐1‐1ルール」が有効?

続いて、同社のソリューション統括部プリンシパルコンサルタントの渡辺敬彦氏が、巧妙化するランサムウェア攻撃の危険性を説明し、「Arcserve OneXafe」の活用方法を紹介した。

  • Arcserve Japan ソリューション統括部プリンシパルコンサルタント 渡辺敬彦氏

渡辺氏曰く、ランサムウェアを使った攻撃は、元々は無差別攻撃である「ばらまき型」だったという。しかし、近年では、特定の目標を決めて攻撃する「標的型」が横行しており、データフォルダのみならずバックアップしているデータにまでその被害が及ぶようになったとのことだ。そのため、事業継続の観点からもさらなるデータ保護への取り組みが急務となっているとして、同氏はArcserveの提唱する「3-2-1-1ルール」を紹介した。

「3-2-1-1ルール」は、ランサムウェアの脅威からバックアップデータを守るためのルールのことで、数字は手順ごとに重要な数字になっている。

1つ目の「3」は、オリジナルデータ、そのデータのコピー1つからなる「3」つにデータを冗長化すること、2つ目の「2」は、最低限「2」つの異なるメディアを保存先に利用することを推奨していることを表す。

また3つ目の「1」は、「1」箇所は災害対策サイトを確保すること、そして最後の「1」は、「1」つはイミュータブル(不変)ストレージに保存すること。この4つの数字「3-2-1-1ルール」を活用することで、重要なデータをより安全に保護することが可能になるという。

  • 「3-2-1-1ルール」のイメージ図

同サービスの利用料金は、6種類用意されている。料金タイプは容量とネットワークのカードの種類が異なり、容量は小さい方から32TB、48TB、72TBの3種類が用意されている。またその容量ごとに2つのネットワークのカードの種類(RJとSFP+)があり、料金は32TBのものが750万円、48TBのものが930万円、72TBのものが1,290万円となっている。