NTTは5月19日(米国時間)、米国インディアナポリスで5月29日に行われるモータースポーツイベント「第106回インディ500」において、レース会場内外でのファンの観戦体験向上とレース会場のスマート化を実現するスマートソリューションを提供すると発表した。インディ500はコース200周(500マイル)を競うシーズン最長のモータースポーツだ。

同レースでは昨シーズンから今シーズンに収集したさまざまなデータとレース中に集めたデータを活用して、データ分析やAI(Artificial Intelligence:人工知能)、デジタルツインなどの技術による観戦者の体験価値向上を目指すという。

具体的には、NTTは車載センサーやトラックに設置されたセンサーにより、各マシンのレース戦略と予測、インターセプトとポジション争い、ピットストップの影響、燃料レベルやタイヤ摩耗の影響などのレース情報を観戦者にリアルタイムで提供する。これにより、観戦者はサーキット上を走るマシンで何が起こっているのかをリアルタイムに知ることができるとのことだ。

NTTが同レースで構築するデジタルツインでは、レース結果を予測するためにレーシングカーをサイバー空間に再現する予定だ。レーシングカーにはレース中に数百万のデータを収集するための140以上のセンサーが搭載されており、それらのデータや過去の走行性能に基づいたレース予測が行われる。

同社が展開するスマートソリューションは米ラスベガス市の公共安全強化の取り組みや、大学キャンパス内の交通状況分析、スポーツ会場におけるファン体験向上、複合商業施設の人流分析、公共交通機関での乗客の安全確保など、さまざまな分野で利用されているという。