国立国会図書館は5月19日、「国立国会図書館のデジタル化資料の個人送信に関する合意文書」に基づき、「個人向けデジタル化資料送信サービス」を開始したことを発表した。
同サービスは、デジタル化・ネットワーク化への対応や、コロナ禍により当館や公共図書館・大学図書館に来館せずに利用できるデジタル化資料へのニーズが、研究者・学生などの個人から高まったことを背景に、著作権法の一部を改正する法律が施行されたことを理由として作られたもの。同法の改正により、国立国会図書館はデジタル化した資料のうち、絶版などの理由により入手困難なものをインターネット経由で個人に送信できるようになったという。
同サービスでは、同館のデジタル化資料のうち、絶版などの理由で入手が困難なものを、利用者のPCやタブレット、スマートフォンなどの端末を用いてインターネット経由で閲覧できるもの。サービス開始当初は閲覧のみだが、2023年1月を目途に印刷機能の提供を開始する予定だという。
利用できる資料は、国立国会図書館デジタルコレクションで提供している資料のうち、絶版などの理由で入手が困難であることが確認された資料が対象。具体的には、1968年までに受け入れた図書の約55万点、明治期以降に発行された雑誌のうち、刊行後5年以上経過したもので、商業出版されていないもの約82万点など、「図書館向けデジタル化資料送信サービス」対象資料約 152 万点(2022年5月時点)の範囲内の資料が対象となるという。
利用できるのは、国立国会図書館の「登録利用者(本登録)」のうち、日本国内に居住している人が対象で、登録には本人確認書類の提示が必要で、インターネットでの登録手続が可能。すでに登録利用者の人は、追加の登録は不要だが、旧インターネット限定登録利用者と利用者登録をしていない人は新たな手続きが必要になる。
旧インターネット限定登録利用者(簡易登録利用者)は、「登録利用者(本登録)」への移行が必要となる。移行手続は、来館や郵送のほか、国立国会図書館オンラインから行うことができるようになっている。
まだ利用者登録をしていない人は、登録利用者として利用者登録を行う必要がある。この登録手続も、来館や郵送のほか、国立国会図書館オンラインから行うことができるようになっている。