セキュアワークスは5月18日、今後3年間を見据えた同社の事業戦略を発表した。 代表取締役社長 廣川裕司氏は、XDR製品の投入とパートナービジネスの拡大で、売上5倍を達成したいと述べた。

  • セキュアワークス 代表取締役社長 廣川裕司氏

同社のグローバルの業績は、昨年度は4%程度売上が減少したものの、それまで10%程度の2桁成長を遂げているという。一方、日本市場は昨年度も2桁成長だったという。これにより、3年で売上2倍という目標を達成したという。

  • セキュアワークスの事業概要

「われわれはこれまでサービス中心に展開していたが、今後は、XDR(Endpoint Detection and Response)やTaegis VDRといった製品を合わせたトータルなサイバーセキュリティのソリューションをパートナーさんといっしょに展開していこうというビジネストランスフォーメーションを進めている。われわれの主力であるMSS(Managed Security Service)をXDR、MXDR(Managed eXtended Detection and Response)と進化させていく。これまでは7兆円のサービス市場で展開してきたが、今後はXDRといった製品事業を展開することで、10兆円を超えるようなマーケットの中でビジネスを展開していく」と述べた。

  • XDRでビジネス拡大を狙う

同氏は、売上を拡大するための戦略として、「戦略顧客・案件増大と地域拡大」「 パートナー事業の大幅拡大」「最先端ソリューション投入・需要喚起」の3つを挙げた。

「戦略顧客・案件増大と地域拡大」では、新たにユーザー会を5月25日に発足させ、顧客同士のつながりを深め顧客のセキュリティレベルを上げるための活動を行うほか、主要業種のTop3顧客の獲得をダイレクト・ハイタッチ営業によって目指す。また、西日本の営業を倍増するなどして、首都圏以外の大企業顧客の獲得を目指すという。

  • 「戦略顧客・案件増大と地域拡大」

「パートナー事業の大幅拡大」では、同社が2年前に発表したセキュアワークス グローバル・パートナー・プログラムの浸透と拡大を図り、これまでのリセールパートナーだけでなく、MSSP、XDRを展開できるパートナーを増やすという。

「ダイレクト・ハイタッチ営業がいくら頑張っても、500の顧客が1000にはなっても、2000、3000にはならない。次の3年でもっとも注力していきたいのは、パートナービジネスの大幅な拡大だ。現在は30%くらいがパートナーによるものだが、今年中に40%、来年50%、3年後には70-80%をパートナー経由のビジネスにしていきたい」(廣川氏)

  • 「パートナー事業の大幅拡大」

「最先端ソリューション投入・需要喚起」では、XDR製品、そのマネージド製品の投入を日本で行い、IR(Incident Responce)だけなく、IMR(Incident Management Retainer 、以下 IMR ) によって、各種セキュリティ診断サービスや、サイバー・リスク・コンサルティング、 CSIRT構築支援などのアドバイザリー・サービスインシデントを提供するという。また、各種テストの拡充も行っていくという。

  • 「最先端ソリューション投入・需要喚起」

IMRについて、セキュリティコンサルティング統括事業本部 統括事業本部長 三科涼氏は「ランサムウェアの被害を受けている企業の多くは、サーバや端末、ネットワークの可視化ができていない、ログが取られていない、VPNらRDPの脆弱性が放置されているなど、基本的な対策ができていない。ただ、目の届かない海外拠点や関係会社経由で被害を受けている。これに対して、われわれはIMRを提供している。このサービスはトータルサービスのパッケージで、1つの契約でほとんどの主力サービスが利用でき、成熟度やニーズに応じた設計ができる。今後もこのサービスに注力していく」と述べた。

  • セキュアワークスセキュリティコンサルティング統括事業本部 統括事業本部長 三科涼氏

廣川氏は2019年の事業戦略において、5年5倍という目標を発表しているが、こちらの目標について同氏は「チャンレジな目標となる。7年くらいかかるかもしれないが必ず達成する、XDRで覇権を取りたい」と語った。