ソフトバンクのグループ会社であるヘルスケアテクノロジーズは5月12日、ソフトバンクの協力の下、子育て支援のDX(デジタル・トランスフォーメーション)をサポートするというデジタルこども手帳「てくてく」の提供を、5月末から自治体向けに開始すると発表した。同時に、自治体からの申し込み受け付けを開始した。
新サービスは、母子手帳機能や妊娠・子育てコラム、行政手続きへのアクセスなどをワンストップで提供するというスマートフォン(スマホ)向けの無料Webサービスであり、ICTにより、子どもの成長に寄り添い、より安心して育児ができる社会の実現への貢献を目的としているという。
また、子育てにおいて気になる点がある場合に専門機関への早期の相談を促すことで、子育てに悩む保護者の孤立防止を目指しているとのこと。自治体は同サービスを無料で導入でき、自治体内の利用者に子育てに役立つ各種お知らせを配信可能という。また、今後自治体向けの機能・サービスを拡充する予定としている。
母子手帳機能は母子健康手帳の省令様式に準拠し、妊娠中や出産時の記録に加えて、主に0~6歳の子どもの成長や健診結果、予防接種の記録などを付けられるという。妊娠・子育てコラムでは、医療の専門家による監修の下、妊娠中や出産時、産後に役立つ情報を提供するとのこと。コラムのコンテンツの提供などでは、ライフネット生命保険が協力する。
また、従来の母子健康手帳には無い機能として、月齢ごとに設定したチェック項目に沿って子どもの発達状態を確認し、必要に応じて自治体が設置する専用窓口への相談を促す「発達アセスメント」機能の追加を、2022年中に予定している。
さらに、食事や睡眠などの生活に関する記録を付けられる「育児記録」機能や、各種予防接種のスケジュール管理ができる機能を追加する他、ヤフーとの連携により、妊娠の届け出や児童手当の現況届などの行政手続きをオンラインで申請できる「Yahoo!くらし」に、「てくてく」から直接アクセス可能にする予定だ。
加えて、2023年以降にはマイナポータル上の予防接種記録の自動的な反映も見据えているという。なお、同社が2020年7月から提供しているヘルスケアアプリである「HELPO(ヘルポ)」を、子育て支援ツールとしててくてくと併用できるとのことだ。