パナソニックホールディングス(HD)は5月11日、2021年度の連結業績(2021年4月1日~2022年3月31日)を発表した。売上高は前年比10%増の7兆3,888億円、営業利益は同38%増の3,575億円、純利益は同55%増の2,553億円と増収増益を達成した。ROE(自己資本利益率)は8.9%と、前年から1.7%ポイント上昇した。

  • 2021年度 連結業績

    2021年度 連結業績

電気自動車(EV)用の電池を開発・販売するエナジー事業が、前年度のコロナ影響の反動や、北米新ライン稼働もあり好調だった。また、法人向けに情報通信インフラなどを提供するコネクト事業は、米ソフトウェア会社のブルーヨンダーを2021年に完全子会社した影響もあり増収増益。さらに車載事業を手掛けるオートモーティブ事業も、半導体などの部材高騰、輸送費用の増加はあったが、コストダウンに加え、前年度に充電器の一時費用を計上したこともあり、増益となった。

  • 2021年度 セグメント別実績

    2021年度 セグメント別実績

一方で、白物家電を手掛けるくらし事業は、海外での増販益や価格改定、各事業での合理化などを進めるも、日本での巣ごもり需要の反動に加え、原材料高騰や部材調達課題などの影響が大きく、同事業の営業利益は150億円の減益となった。

2023年度3月期の営業利益は前年比1%増の3,600億円、純利益は同2%増の2,600億円をそれぞれ見込む。売上高は同7%増の7兆9,000億円になる見通しだ。

  • 2022年度 連結業績見通し

    2022年度 連結業績見通し

2023年度以降、半導体・部材不足は改善する傾向が見込まれるが、ロシア・ウクライナ情勢もあり、原材料高騰の影響は拡大すると同社は考える。また、終わりを迎えない新型コロナウイルス感染症拡大によるロックダウンは、今後も影響を及ぼすとみている。