電通ジャパンネットワークは4月12日、サステナビリティに関するプロジェクトを推進する「サステナビリティ推進オフィス」および「電通Team SDGs」を調査主体として実施した、「第6回カーボンニュートラルに関する生活者調査」の結果を発表した。

この調査は2021年4月の第1回調査より、日本におけるカーボンニュートラルに関する「認知・理解」や「興味・関心」などについての現状を把握した上で、今後の浸透策を検討していくことを目的として、継続的に実施・発表しているもので、2022年1月28日~30日に実施された。今回で6回目の実施となる。

今回の調査では、「カーボンニュートラル」に対する国内の生活者の意識変化について、2020年12月に経済産業省が発表した「グリーン成長戦略」の14の重点分野を含む多様な観点から調査・分析を行った。今回はこれまで継続して調査してきた項目に加え、新たに「カーボンニュートラルへの配慮」と「その費用負担のどちらを重視するか」についても調査対象としている。

まず、 「カーボンニュートラル」の認知については、「内容まで知っている」または「内容は知らないが、言葉だけは知っている」という回答の合計は58.2%であったが、「内容まで知っている」のは16.5%で、引き続き内容理解の浸透は課題といえるという。

カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの実施状況として、世界と日本の差が比較的小さい取り組みは、順に「自動車の脱炭素化・蓄電池技術の実現」「資源循環型社会の実現」「農林水産業における脱炭素化とCO2吸収・固定の推進」となった。聴取した取り組みの平均では、69.1%が「日本よりも世界の方が積極的に取り組んでいる」と捉えており、前回調査と大きな傾向の変化は見られていない。

回答内容から、「カーボンニュートラル配慮による追加コスト許容層」と「カーボンニュートラル配慮よりも価格の安さを求める層」に大別すると、その構成比率は、39.9%と60.1%になっている。前者は、情報感度、波及力が高くカーボンニュートラルに対する理解や必要性意識が高いという。後者は子育て層が多く、カーボンニュートラルへの一定の理解はありつつもコストの安さを重視しているとのことだ。同社は、エネルギー消費を直接想起できるような項目では、追加コスト許容の傾向が大きいと分析している。

  • カーボンニュートラルへの配慮とその費用負担の大きさの違いで、もし、商品・サービスを選ぶことができる場合、あなたはどちらのお考えの方が近いですか 引用:電通ジャパンネットワーク

さらに、企業のカーボンニュートラルの取り組みによる追加コストの許容要因を、費目別・年代別に見ると、10〜30代では「ポイント還元」が1位になる費目が多く、追加コスト許容の大きな要因になっている。50代以上では、「ポイント還元」の影響力は小さくなり、「個人の効果」「対策の内容」などの方が大きな要因になっている。