米Atlassianは4月11日、チームマネジメント向けの新製品「Atlas(アトラス)」と「Compass(コンパス)」の提供を発表した。

同社は今回、自律型と統制型のハイブリッドな組織文化形成の支援を目的に両製品を開発・提供した。Atlasではチームのオープンコミュニケーションとアラインメント(連携・結びつき)のための機能を、Compassではソフトウェア開発の管理統制のための機能を提供する。

  • チームマネジメントをサポートする「Atlas」

Atlasは、プロジェクト管理やチームメンバーの作業内容を把握するための機能群を提供する新製品だ。現在はベータ版(英語)を無償で提供している(2022年後半にはベータ版の提供が終了する予定)。

  • 「Atlas」の画面イメージ。「何をなぜするのか」について、チームメンバーが共通認識を持てるよう全てのプロジェクトに「ホームページ」を作成できる

同製品では、全てのプロジェクトに「ホームページ」を作成し、チームの関わる作業を総合的に閲覧し把握することができる。ホームページ内にはLoomやGoogle Docs、Figma、Confluenceといった作業管理ツールのドキュメントを埋め込み、プレビュー表示させることが可能で、TrelloやJira Software、Google Workplace、Asanaなどのアプリケーションと連携し、作業内容可視化できるという。

SNS感覚で作業状況のダイジェストを全角140文字(半角280文字)以内で週次に投稿することができ、該当のプロジェクトをフォローしているユーザーは、Atlasのフィード内で投稿を確認してリアクションやコメントする他、メールやSlack、Microsoft Teamsでパーソナライズされたダイジェストを受け取ることもできる。

  • ソフトウェア開発の管理を支援する「Compass」

Compassは、モダンなソフトウェア開発のための管制室のような役割を果たす製品だ。同社は、ソフトウェア開発におけるビジネスの俊敏性や生産性の低下、開発者チームにかかるストレスや労力の軽減を目的に同製品を提供する。現在はアルファ版が無償で提供されており、近日、ベータ版が公開される予定だ。

  • 「Compass」の画面イメージ。「スコアカード」で開発と運用の状態を定義し改善する

同製品は、以下3つの要素から構成される。

コンポーネントカタログ
コンポーネントと、コンポーネントを所有したり、共同作業したりしているチームの情報をマッピングして視覚的に提示する。開発者は、共有コンポーネントやドキュメント、その他、ソフトウェア構築のための重要情報に単一の場所からアクセスできる

スコアカード
満たすべきベースラインやセキュリティ、またはコンプライアンス要件に基づいてアーキテクチャを測定および評価できる、DevOpsの健康状態を確認するツール

アプリ
アプリをインストールするための拡張エンジンで、さまざまな開発者向けSaaSツールの情報を取り込むことで、チームの作業の統制と、作業に最適なツールを選択する柔軟性を提供する

  • アトラシアンプラットフォームにデータ格納・分析の新機能

同日には、同社製品の共通基盤アトラシアンプラットフォームに、データ格納と分析のための新機能「Atlassian Data Lake(アトラシアン データレイク)と「Atlassian Analytics(アトラシアン アナリティクス)」を追加したことも発表した。

Atlassian Data Lakeは、全アトラシアン製品を横断したデータを1箇所に集約して格納するデータリポジトリだ。Atlassian Analyticsは、Atlassian Data Lakeのデータへアクセスするためのインターフェースとなる。

  • 「Atlassian Data Lake」と「Atlassian Analytics」のイメージ

Atlassian Analyticsでは、ダッシュボードでプロジェクトや製品を横断してワークフローを俯瞰できる他、独自のSQLを使ってカスタムレポートを作成することができる。SQLに精通していない非技術者には、ノーコードでカスタムレポートの作成が可能なインターフェースが用意されている。また、アトラシアン製品だけでなく、他社製品からのデータもあわせて読み込めるため、売上データとサービス開発の進捗を掛け合わせた分析など、新しい知見を得ることができる。

両機能は、「Jira Software」または「Jira Service Management」のCloud Enterprise プランの利用者を対象として、早期アクセスプログラムを通じて提供される。

各製品と新機能の詳細については、同社のブログで紹介されている。