シスコシステムズは3月29日、ハイブリッドワークを支援するために設計されたWi-Fi 6用アクセスポイント(AP)やCisco Catalyst 9000Xスイッチなど、新たな製品を発表した。
Wi-Fi 6用アクセスポイントは、Wi-Fi 6Eに対応した「Cisco Catalyst 9136」および「Cisco Meraki MR57」を発表。
「Cisco Meraki MR57」は、Wi-Fi 6E対応の同社のフラッグシップモデルで、トライバンド 4x4 2.4/5/6GHzに対応(6GHzは日本では規格として未承認)。最大で6Gbpsのスループット(3バンド計)を発揮する。
「Cisco Catalyst 9136」は、ミッションクリティカル向けWi-Fi 6/6E アクセスポイントで、2.4GHz(4×4)、5GHz(Dual4×4または8×8) AI/ML専用スキャンラジオ、2.4GHz IoTラジオに対応。環境センサーを搭載し、大気の品質(全揮発性有機化合物(TVOC))、温度、湿度を測定する。
「6GHz周波数帯をサポートし、コンフリクトする可能性が少なく、低遅延になる。6GHzの規格が日本で承認されるのは年内くらいになると思うが、製品を先に出しても、ソフトウェアアップグレードで対応できる」(シスコシステム 執行役員 エンタープライズ ネットワーキング事業担当 眞崎浩一氏)
USBポートもあり、Thread、BLEもサポートし、IoT接続集約ゲートウェイにできるという。
Cisco Catalyst 9000Xスイッチは、100G/400Gネットワークアクセスをサポートするために必要な速度、帯域幅、通信容量を備えており、Cisco Catalyst 9300Xシリーズ、Cisco Catalyst 9400Xシリーズ、Cisco Catalyst 9500Xシリーズ、Cisco Catalyst 9600Xシリーズをリリースした。
9300Xシリーズは、90W給電(IEEE802.3bt)可能なPoE+でフルポートで電源供給が可能なマルチギガビット対応の10GbaseTスイッチで、100/40Gやマルチギガビットに対応したアップリンクを提供。価格は約198万円~。
9400Xシリーズは、モジュラー型アクセス・ディストリビューションスイッチのフラッグシップモデルで、384のAPを収容できる。アップリンクは100G、各スロット480Gbpsに対応する。高密度対応のラインカード48ポートのマルチギガビットまたは10Gファイバを提供。価格は約1,900万円~。
9500Xシリーズは、次世代キャンパスボックスコアスイッチ。同社が開発した新しいCisco Silicon One ASICを搭載。400Gのアップリンクを提供し、最大200万ルートをサポート。価格は約1,080万円~。
9600Xシリーズは、次世代キャンパスモジュラーコアスイッチで、Cisco Silicon One ASICを搭載。400Gの高速ネットワークをキャンパスへ提供し、最大12.8Tbpsのシステム容量に対応する。価格は約1,620万円~。
そのほか、ローカル5G/Private 5GのマネージドサービスをAs a Serviceモデルで提供する「Cisco Private 5G」も発表。同サービスは5Gの基地局以外の機能を提供し、今年の夏くらいから一般に提供される予定。
マネジメント、アイデンティティ&ポリシー、4G/5G コンバージド・パケットコア、Open RAN対応の基地局との接続機能を提供する。
企業ネットワークと統合し、Wi-Fiと5Gのポリシーおよびアイデンティティ管理を1つの管理ポータルから可視化することが可能だという。
「将来的にはDNA CenterやMeraki Cloud、セキュリテーポートフォリトとの統合や連携も検討されており、企業ITへの統合は最も注力していく分野だ」(シスコシステムズ 執行役員 サービスプロバイダー アーキテクチャ事業担当 高橋敦氏)
そして、シスコシステムズ 代表執行役員社長 中川いち朗氏は、「With コロナ、ポストコロナの時代には、ハイブリットワークが確実に定着する。もう以前のオフィス中心の働き方には戻らない。新しいハイブリッドワークへの準備がどの企業も必要だ。社員がどこにいても最高のパフォーマンスを発揮する環境を実現しなければならない。そのためには安全安心なアクセス、柔軟なコラボレーション環境、リアルタイムの可視化3つが必要だ。それを実現できるのがシスコのプラットフォームだ。シスコはWi-Fi、ローカル5G、有線を独立させるのではなく、統合、連携させるマルチアクセスの明確なビジョンとアーキテクチャを持っている」と述べた。