米ガートナーは3月9日(現地時間)、世界の従業員を対象に実施した離職に関する調査の結果を発表した。同調査は2021年第4四半期に、ITに関わる従業員1,755人を含む、世界の従業員1万8,000人を対象に実施され、世界15の言語、40カ国の従業員から、毎月回答を得たものだ。

同調査結果によると、SEなどのITワーカーは他の従業員よりも離職する傾向が強く、IT以外の従業員と比べて現在の勤務先にとどまる意向の割合が10.2%低いことが明らかになった。これはすべての職種の中で最も低い割合という。

現在の企業にとどまる意向が高いITワーカーは、世界で29.1%で、この割合はアジアでは19.6%とさらに低くなっている。この割合が最も高い欧州であっても、10人中4人 (38.8%) にとどまる。

IT人材の定着率は年齢層で異なり、30歳未満のITワーカーは、50歳以上と比べて企業にとどまる可能性が2.5倍低い。企業にとどまる可能性が高いと回答した割合は50~70歳のITワーカーでは48.1%であるのに対し、18~29歳ではわずか19.9%だった。

また同社が2021年に幅広い業種、部門、地域における従業員3,000人を対象に実施した調査では、ITワーカーの65%が、「柔軟に働けるかどうかが、組織にとどまるかどうかの判断に影響する」と回答した。

同社アナリストのグラハム・ウォーラー氏は、「ITワーカーは他の大半の従業員と比べて、離職率が高く、需要があり、かつリモートワークに長けていることから、企業は他の職種の従業員よりも柔軟な働き方を推奨する必要がある」と述べている。

具体的には、週4日勤務などの新しい勤務形態を他に先駆けて採用するほか、オフィスが中心であるという前提を見直してリモートで柔軟に対応できる環境を構築することを同社は推奨している。