DFFAS(Designing the Future of Full Autonomous Ship)コンソーシアムは、日本財団が進める無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」における「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」に参画しており、2月26日から3月1日にかけて東京港と津松阪港間の往復約790キロメートルの航路において無人運航船の実運用を模擬した実証実験を実施した。
同実証についてウェザーニューズは3月7日、DFFASコンソーシアムに参加し、船の安全運航を支援したことを発表した。同社は運航実績データや本船性能データを学習したAI(Artificial Intelligence:人工知能)モデルを活用して最適な航路を自動選定する、航海計画策定システムの開発や、超高解像度予測モデルと確率予測技術の開発、および陸上支援センターでの運航支援に携わったとのことだ。
今回の実証実験は、自律航行機能を搭載したコンテナ船「すざく」と、遠隔操船機能や機関の異常予知機能などの陸上から無人運航船の運航を支援する機能を有した「陸上支援センター」を、衛星および地上通信回線で結び、無人運航船の実運用を模して実施したものだ。東京港と津松阪港を結ぶ往復路における、航海を離岸操船・湾内航行・沿岸航行・着岸操船といった一連の航海を無人運航システムで成し遂げたという。
同実証にあたって同社は、船舶の最適航路をAIが導く航海計画策定システムとして、船上で計測されるデータと陸上で活用できるデータを活用し、安全かつ環境に配慮した総合的な航海計画を自動策定するシステムを構築した。同システムでは、過去の運航データや気象情報から導出した最適航路を、さまざまな要素技術で補正することで精度を上げているという。
また、超高解像度予測モデルと確率予測技術として、船の自動着離桟を支援するため、10メートルメッシュの風と100メートルメッシュの潮流を予報する超高解像度予測モデルを開発している。これにより、外洋よりも予測が難しいとされる沿岸域の局所的な気象海象の変化も捉えられたとしている。
DFFASコンソーシアムは日本海洋科学を中心として構成されており、イコーズ、EIZO、MTI、日本電信電話(NTT)、NTTドコモら国内外の多様な30社を核に、国内外の協力企業、および組織ら約60社が名を連ねる。同コンソーシアムは無人運航船に必要な包括的な無人運航システムを、オープンイノベーション体制により開発を進めている。