東日本電信電話(NTT東日本)は3月1日、キャリアグレードの5Gスタンドアローン機能利用において、電波免許の取得からネットワーク設計、システム構築、導入後の運用・サポートまでのトータルITO(ITアウトソーシング)をワンパッケージにして提供する、企業向けマネージド・ローカル5Gサービス「ギガらく5G」を5月から全国で提供すると発表した。
従来5年間で1億円ほどかかっていた導入・運用コストを、1/5の2000万円程度まで圧縮することが可能だという。
料金は、サブスクリプション型と一括払い型の2種類が選択できる。サブスクリプション型の場合、月々の利用料(税別)は基本料金(279,000円)とRU( Radio Unit)・アンテナ利用料、およびオプションから構成され、アンテナにインドアタイプ(月額24,000円)を選択すれば、月額30万3000円(税別)から利用できるという。なお、初期費用で、別途、工事代がかかる(120万円~)。
「ギガらく5G」で提供する5Gは、Sub 6の周波数帯を利用したローカル5G環境。スループットの規格上の最大値は同期TDDの場合が下り1488Mbps、上り230Mbps、準同期TDDの場合は下り988Mbps、上り466Mbpとなる。
利用料金を圧縮できた要因は、5Gのコアを同社のデータセンターで提供している点や、5G設定や工事において、これまでのノウハウを使って最適化した点にあるという。
同社は本日、東京都調布市にあるNTT中央研修センタのデモ環境を公開。用途として有力な設備監視と侵入監視の様子をデモした。
同社は5Gの大容量伝送を利用することで、高精細な映像を利用できるほか、スマートグラスなどさまざまなカメラを同時に数多く利用できるとした。
NTT東日本 ビジネス開発本部 第三部門 IoTサービス推進担当 担当部長 増山大史氏は、現状の5Gには、「運用・保守コストが高い」「専門知識が必要で手間がかかる」「システム監視やトラブル対応が困難」「段階的な拡大ができない」「既存のLAN環境を活用してローカル5Gを追加できない」という5つの課題があり、「これらの課題を(ギガらく5Gで)解決することによって、5Gが使いやすいものになる。これによって5Gが産業のDXや地域の課題解決のための重要なパーツになる。今後はさまざまなDXソリューションをパートナーさんに開発していただいて、お客様に使っていただきたい」と述べた。
同社は、今後5年で累計数千件の実績につなげたいとの目標を明らかにした。