Googleは2月16日、プライバシー保護をより優先する新しい広告ソリューションの提供のために、今後複数年にわたりAndroid向けのプライバシーサンドボックスに取り組んでいくことを発表した。同社はAndroid向けのプライバシーサンドボックスの目標について、「プライバシー保護を強化した上で、効果的な広告ソリューションを構築すること」だとしている。

同ソリューションは広告IDなどの複数アプリに共通の識別子を使用することなく、利用者データのサードパーティとの共有を制限するものだ。同社のWeb上における既存の取り組みに基づき、無料のコンテンツやサービスへのアクセスを実現しながら、利用者のプライバシー保護を強化するための明確な方針を提供するという。

現在のGoogle Play上にあるアプリのうち90%以上は無料でダウンロード可能だ。この実現においてはデジタル広告が重要な役割を持つ一方で、利用者や開発者、事業主にとって有益かつ健全なアプリのエコシステムを守るために、業界全体で利用者のプライバシーを保護するデジタル広告の仕組みを継続的に進化させていく必要がある。そこで、同社はAndroid 向けのプライバシーサンドボックスに着手したとのことだ。

なお、Android向けのプライバシーサンドボックスの計画、開発およびテストにあたり、同社は少なくとも今後2年間は既存の広告プラットフォーム向けの機能のサポート継続を予定している。今後変更する場合は事前に十分な周知を行うとのことだ。

開発者は2月16日から、Android向けの開発者サイトにて同社の初期計画を確認し、これに対するフィードバックを送信可能となっている。同社では今年一年を通して開発者向けのプレビューを公開し、年末までにベータ版をリリースする予定だ。

さらに同社では、アプリをより安全に広告SDK（Software Development Kit：ソフトウェア開発キット）と統合する方法など、利用者のデータが密かに収集されるリスクを低減するための技術開発も進めているという。