エクサウィザーズとNTTデータは2月14日、AI(Artificial Intelligence:人工知能)と医療情報プラットフォーム「千年カルテ」による医療リアルワールドデータを活用した新サービスの共同開発を進めることに合意し、2022年内をめどにサービスを展開する予定だと発表した。

医療リアルワールドデータとは、電子カルテや健康診断、診療報酬明細書(レセプト)、ウェアラブルデバイスから得られる情報など、日常の臨床から得られるさまざまなデータを指す。

両社が今回活用する千年カルテは、電子カルテ、レセプト情報、DPC(Diagnosis Procedure Combination)データなどの医療情報を、施設や地域を超えて国レベルで統合した医療情報プラットフォームだ。これまでに40以上の医療機関の協力により年間100万人の医療情報を収集しているという。将来的には300医療機関から年間500万人の医療情報を収集する予定とのことだ。

  • エクサウィザーズとNTTデータによるサービス開発のイメージ

具体的に両社は、千年カルテのデータを活用した治療実態の把握や、疾患の発症と重症化リスクの予測、およびその要因探索などに利用できる新規サービスの開発に取り組む。また、製薬会社などに対する情報発信に取り組み、千年カルテの利活用において必要な機能やデータの扱い方を明確化する予定だ。

さらに、文章で入力されている診療記録の情報や将来拡充予定の診療画像情報など、データベース上での取り扱いや整理が難しい情報については、今後有効な利活用を行うためにAI技術の開発に取り組むという。

実際の患者の医療リアルワールドデータを活用することで、疾患の発生と患者の既往歴や検査結果との関係性などが解析できるようになり、患者への個別化医療の提供に役立てられると期待される。そこで両社は、NTTデータが運営する千年カルテにエクサウィザーズのAI技術と医療領域の専門性を掛け合わせることで、新たなサービス開発や製薬企業への導入を進める。