KDDI総合研究所、愛知県春日井市、名古屋大学は2月4日、高蔵寺ニュータウン地区(愛知県春日井市)における新モビリティサービスによる地域活性化を目的とした実証実験を開始すると発表した。同実験は、自動運転車「ゆっくりカート」を用いて人の送迎を行うとともに同一車両を用いて商品配達も実施する、貨客混載型の自動運転×MaaS(Mobility as a Service)の取り組みとなる。

  • 実証実験の概要図

今回の実証実験では、あらかじめ登録された128カ所の停留所間をユーザーからの乗車予約や配達注文に応じてルートを決定し、ゆっくりカートを運行する。KDDI総合研究所が開発した、自動運転車向けに複数予約の運行経路設定や相乗り調整を自動で行う運行管理システムを貨客混載型に改良して利用するという。

  • 配送ルートのイメージ

同システムに、配達機能として商品注文から自動運転車予約までの自動化機能、および人と商品で優先度を変えた運行制御機能を追加することで、車両稼働率の向上を図り、受容性の分析やビジネスモデルの検討を実施する予定だ。

同システムは人の送迎や商品の配達に関して異なる時間的制約を設けて、配車調整や運行経路の設定を行い、ゆっくりカート内に設置された自動運転システムへの登録などを自動で実施する。これにより、人の乗降車を優先してその合間に商品を配達するといった効率的な運行が可能になるとのことだ。

人と人、人と商品、商品と商品のような複数パターンの相乗りを考慮しつつ、さまざまな制約条件を満たした上で走行距離が最短になるように巡回ルートの自動調整を行う。

  • 制約条件の例