freee finance labは1月26日、統合型コーポレートカード「freeeカード Unlimited」正式版の提供を開始すると発表した。入会資格はfreee会計に銀行口座を同期している法人で、年会費は無料。

freee finance lab 代表取締役 CEOの小村充広氏は、同社の戦略について、「われわれは、統合型クラウドERPにおいて、自動化と可視化を行う頃で、スマートで適切な経営アクションを実現している。さらに、企業活動で発生する金融をソフトウェア化し、統合型クラウドERP上で連携することで、クラウドERPの自動化と可視化がより向上し、ERPデータと金融取引データの統合により、適切な経営判断が可能になる」と説明した。

  • freee finance lab 代表取締役 CEO 小村充広氏

バックオフィス領域では、請求、会計、債券債務管理、給与計算・勤怠管理、ワークフロー、経費精算が、また、フロント・ミドル領域では、BI・分析、販売在庫管理が金融取引につながる業務だが、2025年までに、スモールビジネスの企業活動に伴う主要金融取引をカバーするサービスを順次提供を開始する予定だという。

  • スモールビジネスの企業活動に伴う主要金融取引をカバーするサービスを順次提供を2025年までに開始する予定

「freeeカード Unlimited」正式版の提供など、同社が提供するサービスの詳細については、freee finance lab 取締役 花井一寛氏が説明を行った。

  • freee finance lab 取締役 花井一寛氏

同氏は、freee finance labがサービスを提供する領域について、「日々の業務の中で発生する決済事業とたまに発生する金融ニーズに対応するための金融サービスプラットフォームの2種類がある。決済事業では、freeeのほうにもデータが流れ、可視化を進め、スモールビジネスの決済の課題を解決できる決済手段を提供していく。プラットフォームにおいては、『借りる』『資金繰りの相談』『保険』といったニーズに対し、金融業者と提携してサービスを提供する」と述べた。

決済事業で提供しているのが「freeeカード Unlimited」となる。同カードでは、スモールビジネスが事業用カードについて抱えている「限度額の不足」「経理処理の遅れ」「統制管理が難しい」という3つの課題を解決する。

「限度額の不足」については、freee会計を利用する31万超の事業者のデータを独自の与信モデルで分析することにより、最大5,000万円の限度額を実現する。

「経理処理の遅れ」については、利用から数日以内にすべての利用明細をfreee会計に同期することで、カード利用明細情報が月締め作業に間に合わないというバックオフィス業務の課題に対応する。

「統制管理の難しさ」については、役員や従業員に渡しているカードの意図しないタイミングでの利用を防ぐため、設定している間カードが一切利用できないように利用ブロック設定が行えるようになっている。また、カードが利用された場合にリアルタイムで管理者にメール通知が行われるため、不審な利用を感知することが可能だ。

  • 「freeeカード Unlimited」はスモールビジネスが抱える事業用カードにまつわる3つの課題を解決する

「freeeカード Unlimited」は2021年7月からクローズドβ版が提供されており、今回、正式版がリリースされた。クローズドβ版と正式版は、対象と限度額が異なる。

  • クローズドβ版と正式版の差異

また、Mastercard、VISA、セゾンカードと共同開発した事業特化のクレジットカード「freeeカード」も提供されている。自社発行の「freeeカード Unlimited」に加えて、提携会社によるカードも引き続き提供する理由は「提携会社によってサービスが異なるから」とのことで、今後も「freeeカード Unlimited」と提携カードのいずれも成長させる方針をとるという。

  • 「freeeカード Unlimited」と「freeeカード」の違い