Googleが無償版G Suite(旧Google Apps無償版)の提供を終了させる。Google Workspaceへのアップグレード手続きを7月1日までに完了させないとサービスを利用できなくなるので、無償版Google Appsからの利用者は注意が必要だ。9TO5Googleによると、Googleは無償版を継続利用しているアカウントの管理者に終了を伝えるメールを送信し始めており、またGoogle Workspaceの管理者向けのヘルプページにも無償版の終了とアップグレードに関する情報が追加された。
2006年に提供が始まったビジネス・組織向けの「Google Apps」は、GmailやGoogleカレンダー、GoogleドライブといったGoogleのWebアプリを独自ドメインで利用できるサービスで、無償版でも最大10人の利用が可能だった。コストを抑えたいスモールビジネスや個人ビジネスに最適なサービスだったが、ビジネス向けにはカスタマーサポートやより大きなストレージ容量が重要であることから、2012年に無償版の提供を終了させた。しかし、終了までに無償版の利用を開始していたユーザーには無償版の提供を継続し、「Google Apps」が「G Suite」になってからも無償版G Suiteとして猶予期間が続いていた。
無償版のユーザーがサービスとアカウントを引き続き利用するには「Google Workspace」にアップグレードする必要がある。現在Workspaceには月額680円の「Business Starter」から、最も利用者が多い「Business Standard」(月額1,360円)、高度なセキュリティと管理機能を備えた「Business Plus」(同2,040円)、そして「Enterprise」の4つのプランが用意されている。
無償版の利用者が5月1日までに「Google Workspace」にアップグレードまたはサービスを解約しなかった場合、利用している機能に基づいてGoogle Workspaceのサブスクリプションに自動的にアップグレードされる。その後も新しいサブスクリプションを無料で利用し続けられるが、7月1日までに支払い情報を設定してアップグレードを完了しなかった場合、Google Workspaceサブスクリプションが一時停止の状態になり、さらに60日が経過するとGmail、カレンダー、MeetといったGoogle Workspaceのコアサービスも利用できなくなる。
なお、Google Workspaceにアップグレードしない場合、データエクスポート・ツールを使用して、無償版サービスのデータを書き出して保持できる。