NTTデータ経営研究所は1月13日、「パーソナルデータの活用に関する一般消費者の意識調査」の結果を公表した。多くの企業が情報銀行やPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)サービスなどパーソナルデータを活用したサービスに参入する中で、パーソナルデータの利活用に関する国内の一般消費者の最新の意識を把握することを目的に実施した調査だという。同調査は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「NTTコム リサーチ」の登録モニターが回答した。

調査の結果、「情報銀行などのパーソナルデータを活用したサービスを利用したことがある」と回答した人は10.6%であったという。また、「今後利用したい」と回答した人は31.1%だったとのことだ。「過去の利用経験はないが今後利用したい」と回答した人は23.1%であり、この層へのアプローチが重要になると同社は見ている。

  • パーソナルデータを活用したサービスの利用経験・今後の利用意向 資料:NTTデータ経営研究所

パーソナルデータを活用したサービスを選択する条件については、「安全管理措置の確保」とする回答が22.1%に上り、最も支持された。データ漏えいの防止策や問題発生時の対応策を明確にするなど、利用者が安全性を感じる措置を講じることが利用を促すためのポイントになるだろう。

  • パーソナルデータを活用したサービスを選択する条件(競合優位性) 資料:NTTデータ経営研究所

安心して利用できるパーソナルデータ活用サービスの運営業態は「銀行」が23.2%と最も多くの票を集めた。クレジットカード会社や保険などの金融機関や、電気、ガス、水道などのインフラ企業も上位で支持されている。

  • 安心して利用できるパーソナルデータ活用サービスの運営業態 資料:NTTデータ経営研究所

パーソナルデータを提供する対価として求める金銭的条件を聞くと、「どのような条件であっても企業に提供したくない」と回答したパーソナルデータについては「株式や債券、口座残高等の金融資産情報(ストック)」が63.5%と最も高い結果となった。「位置情報」(62.6%)、「年収、借入等のその他の金融情報(フロー面)」(62.5%)、「Webアクセス履歴」(61.5%)とする回答が続いた。

  • パーソナルデータの提供の対価として求める金銭的条件 資料:NTTデータ経営研究所

一方で、対価ではなくデータの利用目的に着目してデータ提供の抵抗感を聞くと「どのような利用目的であっても提供したくない」とする回答は37.6%にとどまるという。「健康・医療・福祉」のためであれば抵抗感がないとする回答は42.7%であり、「防災等の災害・安全対策」(36.0%)、「公的サービス改善」(27.3%)、「安全保障」(23.2%)が続く結果となった。公共的なサービスの利用目的であればパーソナルデータを提供する際の抵抗感は低いようだ。

  • パーソナルデータ提供の抵抗感がない利用目的 資料:NTTデータ経営研究所

パーソナルデータを活用したサービスについては、「自身の個人情報の追跡・安全性確認サービス」の利用ニーズが最も高い。また、「医療機関間等での検査結果データ共有サービス」もニーズが高く、45%以上が利用意向を示している。

  • パーソナルデータを活用したサービスの利用ニーズ 資料:NTTデータ経営研究所