アバストは12月17日、世代別のデバイス利用に関する調査結果を発表した。使用するデバイスによって遭遇するサイバー脅威が異なり、シニア層は特にランサムウェア攻撃、若年層はTikTokなどのSNSでの詐欺の標的となる可能性が高いことを明らかにした。

同調査は2021年6月15日~6月27日に実施されたもので、日本国内の回答者1,011人を含む、世界17カ国の16,147人のオンラインユーザーを対象にしたもの。

同社が実施した調査によると、44歳以下の若い世代(18~24歳:87%、25~34歳:80%、35~44歳:74%)は、主にスマートフォンを使ってインターネットにアクセスしていることが分かった。そのため、アドウェア、モバイルバンキングのトロイの木馬、マルウェアを拡散するダウンローダー、そして、アドウェアやフリースウェアを宣伝するInstagramやTikTok上の詐欺などの標的となり得ると同社は指摘する。

2021年の第3四半期、モバイルデバイスにおいて最も多かった脅威は、アドウェア(59%)、モバイルバンキングを狙ったトロイの木馬(9.7%)、ダウンローダー(7.9%)で、いずれもソーシャルエンジニアリングを用いて被害者を騙し、望ましくないアプリをインストールさせている結果が得られた。

一方、55歳以上(55~64歳:71%、65歳以上:88%)の日本のインターネットユーザーの大多数が、主にPCを使ってインターネットを利用していることが分かった。そのため、メールのリンクや悪意のあるウェブサイトを経由して、ランサムウェア、テクニカルサポート詐欺、スパイウェア、トロイの木馬、ボットネットなどをダウンロードしたり、アクセスしてしまったりする可能性が高くなるという。

実際に、同社は2021年、世界中で毎月平均146万件以上のPCへのランサムウェア攻撃を阻止しており、同年1月から4月の間には毎月約600万件のテクニカルサポート詐欺もブロックしている。すべてのデバイスにおいて、あらゆる世代がフィッシング攻撃や恋愛詐欺の標的となっているとのこと。

さらに、シニア層におけるインターネット利用において最も重要な活動として、「検索エンジンの利用」が、18~24歳を除き、各世代(25~34歳:44%、35~44歳:49%、45~54歳:56%、55~64歳:54%、65歳以上:57%)で最も多く挙げられた。

これはシニア層がランサムウェア、フィッシング詐欺メール、銀行口座などを狙ったスパイウェアやトロイの木馬、テクニカルサポート詐欺など、PC上の主要な脅威の標的になりやすいことを裏付ける結果だと同社は示唆している。

一方で、同じ問いに対して、18~24歳の約6割(58%)は「SNSの利用」と答えており、若年層はInstagramやTikTokなどのSNSでの詐欺やモバイルバンキングのトロイの木馬など、スマートフォン上での脅威に遭うリスクが高いことが考えられるだろう。