SmartHRの代表取締役CEOである宮田昇始氏は12月8日、同氏のブログで同職を退任することを発表した。同氏は2022年1月1日付けで退任する予定であり、退任後の肩書は「取締役ファウンダー」になる。退任後も取締役として会社に残り、新規事業に取り組む。次の代表取締役CEOには、現在取締役CTOを務める芹澤雅人氏が就任する予定だ。

  • 左から、新CEOの芹澤氏、現CEOの宮田氏

宮田氏は退任のきっかけについて「会社の成長にあわせて起きる環境の変化に、適応し続けることが難しくなった」とつづっており、従業員が300名から500名規模まで拡大したこの1年について、CEOとして「Good」すら獲れていなかったと振り返っている。

同氏は2013年の創業以来(当時の社名はKUFU)、代表取締役CEOとして会社を牽引してきた。2015年にクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を公開し、登録企業数は公開後約5年で4万社にも達するとのことだ。社長を続けたい気持ちがゼロな訳ではなく、いち起業家として「上場企業の社長」を経験してみたかったという。

ブログの中で宮田氏は、新CEOに就任する芹澤氏について「組織づくりや組織運営の手腕は目を見張るものがあり、知識や実行力はもちろんですが、天性の才能があると思います。また、持ち前のリーダーシップやプレゼンテーション能力で、ビジネスサイドからの信頼も厚い経営者です」と紹介している。さらに「自分よりも、この会社を成長させられる芹澤さんにバトンパスを決めました」と評している。

宮田氏は社長退任後、新規事業に9割以上の時間を使う予定で、国内のスタートアップ業界に貢献し得る事業として「SaaS + Fintech」に取り組むとのことだ。