EY Japanは、デル・テクノロジーズと共同で、女性起業家とビジネス成長の支援を目的とした女性起業家育成プロジェクト「DWEN x EY Support & Innovation Pitch」 (以下SI Pitch) をオンラインで開催しており、12月2日には、年商3000万~1億円未満のステージBのピッチイベントを開催した。

SI Pitchは、メンタリングとプレゼンピッチイベントを通して、公募によって選出された15名の女性起業家・起業を目指す女性の事業発展をサポートする「育成」プログラム。

デル・テクノロジーズは、デル女性起業家ネットワーク(DWEN)を通じて2010年より世界の女性起業家へ世界都市でのDWENサミットやイベントにて支援を行っている。

SI Pitchでは、さまざまなビジネスエキスパートに審査員とメンターとして参加してもらうほか、先輩である女性起業家も加え、審査によって選ばれた女性起業家を支援していく。

  • SI Pitchの概要。95:5は米国での女性起業家への投資の割合が5%未満であるという意味

    SI Pitchの概要。95:5は米国での女性起業家への投資の割合が5%未満であるという意味

募集は8月に行われ、ステージA(年商一億円以上)、ステージB(年商3000万~1億円未満)、ステージC(起業前~年商3000万未満)の3つのステージにおいて、それぞれ5名が選ばれた。

  • SI Pitchのスケジュール

選出された15名(5名×3ステージ)に対してはこの2カ月間、それぞれにメンターが数名付き、ビジネスプランのブラッシュアップを行ってきた。その練り上げたプランをプレゼンするのが、ピッチイベントだ。そして、12月2日にはステージBのピッチが行われた。

プレゼン後には一人の最優秀賞を選出、参加者全員には各分野の著名有識者によって、事業に関するアドバイスや評価シートが提供される。最優秀賞を受賞した人には、DELLのノートPC(XPS13 プラチナモデル)が、他の人にはディスプレイなどのDell クライアント製品が提供される。

ピッチの持ち時間は5分間で、その後7分間、審査員から質問やアドバイスを受けた。

12月2日のPitch(プレゼン)には、以下の5名が参加した。

  • ステージBのピッチイベント女性起業家

    ステージBのピッチイベント女性起業家

社名 代表者 提供する製品・サービス
日本木材 長谷部愛 森林価値を数値化して、それをビジネスにしようとしている。具体的には、衛星写真とセンサーネットワークで木の位置、大きさ、体積を算出してDB化し、森林化の作業効率化に役立てるほか、将来はCO2吸収価値を数値化して、排出権取引、森林ファンドに活用しようとしている
オマツリジャパン 加藤 優子 自治体向けには、祭りをはじめとする地域文化を観光資源として活用するためのサポートや、地域文化が将来にわたって続くために必要な取組のサポート。民間企業向けでは、企業の販促・プロモーションやイベントに、祭りの活用をサポート。今後は地域の文化遺産の活用、お祭りプラットフォームの提供なども手掛け、2026年に17億円の売上を目指す
プリズムテック 小倉 一葉 顧客接点獲得のための企業向けコミュニティマネジメントSaaSを提供。ファンコミュニティプロダクト・サービスのユーザーコミュニティの立ち上げ・運営を代行する。データ管理と分析、運用の自動化、アドバイスを提供する予定。来年、資金調達しベータ版を開発する
Anu cosmetics 岩倉陽子 クレンジング、洗顔、美容液の3つの役割を1つの製品で実現できるアニュ モイスチャークレンジングオイルを提供。働く女性に時短と低価格製品の提供を実現した。これまでECで7割、店舗で3割を販売。今後はブランディングに力を入れ、働く女性向けのクレンジング市場で20億円の売上を目指す
アクティブ・コネクター 松本麻美 スタートアップ向けの外国籍エンジニアの採用支援サービスを提供。日本在住のエンジニアに特化。社員はスカウト、面談、マッチング、選考調整を分業し、フルリモートで提供。多言語ツールを活用し業務を見える化。今後はマーケティング強化、AIツールなどを開発し、2030年に100億円の売上を目指す

審査員からは、ターゲット、注力する領域、経営上の課題、今後のビジネスモデル、今後の拡大計画、競合との差別化、市場のポテンシャルなどが質問されたほか、資金獲得やエコシステム構築のためのアドバイスなどが行われた。

審査は主に、起業家精神、イノベーション、ビジネス成長性の3点で、さらに実現性、発展性、そのための施策を取っているか、リスク側面などにより判断。総合的に審査員間で話し合いが行われ、選出された。

その結果、オマツリジャパンが最優秀賞を獲得した。

  • オマツリジャパンが最優秀賞を獲得

同社が最優秀賞を獲得したポイントは、ユニークなビジネスであり、エコシスでさらに事業を拡張できそうな点。また、コロナ禍の厳しい中で、ビジネスをしかり伸ばしているところなどが評価されたという。

  • オマツリジャパンが提供するサービス

今回は各ピッチのプレゼンがしっかりまとまり、金額の面モフォローしており、リアリティが感じられ。審査は難航したという。