Windows 11登場

Microsoftから「Windows 11」が公開された。このタイミングでノートPCを新調しようと考える人も多いだろう。Windows 11では外部ディスプレイの扱いが向上しており、会社や自宅で外部ディスプレイをつなげて使うといった作業がこれまでもよりも快適にできる。ビデオ会議関係の機能も充実しており、テレワーク時代のビジネス道具だ。

  • DELL XPS 9305

    DELL XPS 9305

ノートPCにはバッテリーが搭載されている。バッテリーのおかげで電源に接続していなくても使用できるが、現在ノートPCで主に採用されているバッテリーは消耗品だ。時間が経過するごとに、また、充電するごとに劣化する。最近のノートPCはバッテリー単体でかんたんに交換できるようなデザインにはなっておらず、バッテリーを交換しようと思ったらメーカーに送り出す必要がある。仕事道具を数週間も手放すことは現実問題として不可能な人が多いだろう。このため、バッテリーの劣化はそのままPCの買い替えの理由になる。

バッテリーの劣化を避けることはできないが、その特性を知り、適切に運用することで劣化を遅らせることはできる。どのような使い方をすればバッテリーの消耗を低減できるかは、ノートPCごとに異なっている。このため、新しくノートPCを購入した段階で、そのバッテリーについて調べておきたい。なるべく劣化させない使い方をすることで末永く愛用していこう。

人が快適な温度が、バッテリーにも快適

最近のノートPCには、リチウムイオンバッテリーが使われていることが多い(これ以外の種類のバッテリーが採用されているモデルもある)。このバッテリーは物理的に高温に弱い。温度が高い状態が続くと劣化が進む。夏の間、ノートPCを直射日光が降り注ぐ車内に置いておくとか、日の差し込む窓際に置いておくのはよくない。バッテリーの劣化が進む。

温度に関する指針は簡単だ。人間が快適だと感じる温度が、バッテリーにとっても快適と考えておくとよい。なお、PCはそれ自体が熱を生む。バッテリーのことを考えると、ノートPC冷却台などに載せて常に30℃以下に保つといった運用を行うことで、バッテリー寿命を伸ばす効果が期待できる。

なるべく充電しない

本末転倒なことを言うことになるが、リチウムイオンバッテリーは放電と充電を繰り返すと劣化する。つまり、バッテリー駆動でノートPCを使い、バッテリーが減ってきたら充電するといった使い方をすればするほど、バッテリーは劣化していく。リチウムイオンバッテリーは消耗品であり、使えば使うほど消耗していくのだ。

これをなるべく避けるひとつの方法は、バッテリー駆動時の消費電力を抑えることだ。消費電力を抑えられれば、その分放電と充電のサイクルを抑えることができる。設定アプリケーションから「システム」→「電源&バッテリー」を選択し、基本的な設定をおこなう。また、ダークテーマへの切り替えや、ディスプレイ輝度を下げるといった操作も行う。

  • 設定アプリケーション:「システム」→「電源&バッテリー」

    設定アプリケーション:「システム」→「電源&バッテリー」

  • バッテリー駆動時の消費電力を下げる設定を行う

    バッテリー駆動時の消費電力を下げる設定を行う

もう一つは、そもそもバッテリー駆動させないことだ。これはノートPCのハードウェアに依存するため、かならずできるとは限らない。設定できるノートPCであれば、電源接続時には電源で動作してバッテリーを使わないといった動作を取らせることができる。これならバッテリーの劣化をかなり抑えることができる。

バッテリー0%で保管しない、バッテリー100%で保管しない

リチウムイオンバッテリーはその物理特性上、バッテリー0%の状態で保管すると劣化が進むほか、100%の状態で保管しても劣化が進む。多くの方はノートPCのバッテリー充電を100%に保つように務めると思うが、それはバッテリー消費の面では好ましくない。確実に劣化を進めている。バッテリー100%でさらに高温状態が続くと劣化はさらに激しくなることもわかっている。

どの程度の充電状態ですればよいかはいろいろあるが、概ね50%~80%くらいでキープしておくと劣化を加速させないと済むと考えられている。電源が接続されている状態でも、バッテリーの充電状態を50%~80%に維持できるのか、自動的に100%になってしまうのかは、ノートPCに依存している。先ほどの電源接続時にバッテリーを充電しない動作も含めて、購入したノートPCがどのような機能を持っているかは最初に調べておこう。この部分を把握しているかどうかで、バッテリーの保ちが違ってくる。

上記の機能が提供されていないノートPCなら(古いノートPCにはこうした機能がないこともある)、面倒だが自分でこのような状態を作り出す工夫が必要となる。バッテリーが40%~80%の間で使い、40%を切ったら電源に接続し、80%まで充電されたら電源を外すといった具合だ。とても面倒だが、ハードウェアがサポートしていないなら自分で補助するしかない。

こうした機能が提供されていないと、例えば電源をつなぎっぱなしにしておくと、100%になるまで充電が行われ、100%になるといったん充電が止まることが多い。充電していない間は電源供給で動作するものの、自然に放電したバッテリーに対してまたすぐに充電が行われ、そしてすぐに100%になってまた充電が止まる。

このように一見すると100%がキープされているが、実際には細かく放電と充電が繰り返し行われる状況となり、バッテリーの劣化が進むという状況になる。

最近のノートPCは上記の動作にならないように自動的に処理を行うものもあるし、もっと賢く振る舞うものも登場している。この辺りの機能はPCによって異なるので、そのPCに合わせて適切な運用方法を模索するしかない。