大日本印刷(DNP)は10月26日、GPU(Graphics Processing Unit)搭載の従来のパソコンを使用して「組み合わせ最適化問題」を高速で処理する、「DNPアニーリング・ソフトウェア」を開発したことを発表した。
今回開発したソフトウェアは従来のパソコンでも稼働するため、高価な量子コンピュータやスーパーコンピュータを使用する必要がない。工場の生産計画や人員計画の最適化、物流や運送便の経路の最適化、複数エリアでの最適なセールス経路の決定など、膨大な選択肢から最適な解を抽出する「組み合わせ最適化問題」に対して、最適解を高速で導くという。
同ソフトウェアは、シミュレーテッドアニーリング、パラレルテンパリング、量子モンテカルロという異なる3つの演算手法を搭載しており、課題に応じて手法を使い分けながら最適解を求めるという。加えて、3つの演算を同時に用いて最適解を求めることも可能だ。
また、専用のハードウェアが不要なため、企業の既存システムやプログラムに代替して導入可能である。さらに、同社はこのソフトウェアを使って「組み合わせ最適化問題」の解決業務を受託するほか、将来的には企業などに販売していく予定としている。
「組み合わせ最適化問題」の演算処理には、入力する分析データの整備や、導き出した解に基づいて最適化していく各種システムやアプリとの調整作業などが必要だ。同社は、こうした一連の作業について支援するAI技術や、コンサルティングなども提供する計画。