近畿大学(近大)および近畿大学メディカルサポートセンターは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)向けワクチン(モデルナ製)を接種済みの在学生および教職員300名を対象に、3か月ごとの抗体検査を実施し、ワクチン接種の効果がどの程度つづくのかの調査を開始することを発表した。

同大は2021年6月21日よりモデルナ製ワクチンを用いた職域接種を開始。すでに学生ならびに教職員など約2万3500名が2回目の接種を完了済みだという。今回の調査は、そのワクチン接種の効果検証を目的に、同大東大阪キャンパスの学生・教職員のうち希望者約300名を対象に、3か月ごとの抗体検査を行うことで、抗体価の経時変化の調査を進めるほか、副反応や生活習慣についてのアンケート調査を通じ、年齢・性別・飲酒や喫煙などの生活習慣の違い、既感染者と未感染者、解熱鎮痛薬服用の有無などの条件と抗体価の関連についても調べ、ワクチンの効果に影響を与える因子を明らかにすることを目指すとしている。

実施期間としては、2回目のワクチン職域接種完了から3か月経過時点で1回目の抗体検査を実施。以降、3か月ごとに合計4回採血を行い、抗体価の調査を行うことを予定している。

研究チームでは、今回の調査により、ワクチン接種の必要回数を理論的に明らかにし、継続的なワクチン接種が必要となる対象者の把握を目指すとしているほか、ワクチンの持続期間や効果を明らかにすることで、学生や教職員がキャンパスライフや研究活動などに安心して取り組める環境の提供の実現を目指すとしている。