日本出身の真鍋淑郎氏の物理学賞受賞で注目された2021年のノーベル賞。

日本科学未来館では、今年のノーベル賞受賞テーマを同館の科学コミュニケーターが紹介する「科学コミュニケーター・トーク」を10月9日から31日までの土・日曜日に開催する。

平日にも不定期で開催される予定で、真鍋氏の受賞が発表された翌日の10月6日には、真鍋氏の研究を含むこれまで物理学賞を受賞した研究や、生理学・医学賞を受賞した研究について紹介が行われた。

  • 様子

    10月6日に開催された科学コミュニケーター・トークの様子

内容としては、物理化学が専門の科学コミュニケーターである太田努氏が物理学賞を受賞した真鍋氏とクラウス・ハッセルマン氏の「地球の気候変動を物理モデル化し、地球温暖化の基本メカニズムを発見した功績」と、ジョルジョ・パリシ氏の「カオス的なふるまいを記述する数学テクニックを発見した功績」について解説。

太田氏は「大気中にたった0.04%ほどしかない二酸化炭素の濃度変化が、地球の気候にどのような変化を与えるのか。それを定量的に、かつ当時の非力なコンピューターで計算できるようにつくったシンプルな気候モデルが、核心をついていたという点が自分としては注目すべき点だと思うので、そこを重点的に解説しました」と解説のポイントについて教えてくれた。

また、今回のトークを通じて伝えたかったことについて、「日本の二酸化炭素排出量は世界から見ても多いほうです。この研究の功績を知るのと同時にそれについても目を向けてくれたら」と述べている。

ちなみに科学コミュニケーター・トークに参加していた、中学1年生の参加者に感想を伺うと「説明がとてもわかりやすかった。勉強になりました」と答えてくれた。

期間限定開催となる今回の科学コミュニケーター・トークでは、物理学賞のほかにも、生理学・医学賞を受賞したデビッド・ジュリアス氏とアーデム・パタポーティアン氏の「温度と触覚の受容体」の研究についてや、化学賞を受賞したベンジャミン・リスト氏とデビッド・マクミラン氏の「有機分子触媒」の研究についても紹介する予定だという。

なお、開催概要は以下となるが、未来館の入場には事前にチケットの予約・購入が必要となる点に注意が必要だ。

  • 期間:10月9日から10月31日まで(予定)の土・日曜日(月~金曜日に不定期で開催する場合がある)
  • 時間:13:45~(1日1回、15分間) ※10日(日)は12:45~の開催
  • 場所:日本科学未来館5階 コ・スタジオ