産業技術総合研究所(産総研)イノベーション推進本部は、産総研コンソーシアムとして「海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアム」を10月1日に設立したことを発表した。

産総研コンソーシアムとは、産総研が会費を徴収しながら産学官連携の支援、成果の利用の促進、情報の収集および提供といった目的のための研究会(コンソーシアム)などを運営する取り組み。

海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアムは、バイオテクノロジー、環境影響評価など複数の業界にまたがる新しい産業分野での標準化ニーズに対応するため、海洋生分解性プラスチックなど環境負荷低減に資するプラスチック材料および製品に関する評価技術開発や標準化につながる場を提供するというもの。

産業界が抱える技術課題やニーズの抽出および産総研が有する技術・知見を活用した新たな材料・製品の社会実装に必要な“標準化”を推進することで、持続可能な社会の実現および産業競争力の強化を図ることが目的だとしている。

  • 産総研

    海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアムの活動(出典:産総研)

発足当初は、産総研が培ってきた、生分解性プラスチックに関する合成・評価技術の普及とともに、今後の標準化ニーズや技術開発を主軸とした情報交換を図り、長期的にはサプライチェーンにも対象を広げる計画だ。

海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の目標達成に向け、企業側が抱えるプラスチックに関連するSDGsとしての課題を見据えた対応への展開を想定してるという。

今後、生分解性プラスチックなどの製造やその評価法に係わる企業、標準化団体、およびアカデミックな観点から活動に協力可能な大学・公的研究機関の研究者を対象とした募集をホームページ上で行っていくという。