今年の特筆される天文現象の一つ「ペルセウス座流星群」のピークが13日未明に迫っている。代表的な流星群だが、今年は新月の後で月明かりもなく、8年ぶりに観測条件が絶好になるという。天気さえ良ければ、観察が比較的楽な夏場に、望遠鏡不要で楽しめる天体ショーの好機をぜひ生かしたい。

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    ペルセウス座流星群(複数の流星を重ね合わせたもの、国立天文台提供)

国立天文台の資料によると、今年の発生のピーク「極大」は13日午前4時過ぎ。その前後の11~13日の3夜にわたり、多く見られると予想される。午後9時頃から現れ、夜中を過ぎて薄明(日の出前の空がほのかに明るい状態)に近づくにつれ増えていく。国内では13日の夜明け近く、東京では午前3時台に条件が最も良く、空が暗い場所なら1時間に50個程度、市街地でも5個程度を観察できそうだという。実際にどの程度観察できるかは熟練度や視力など、そしてもちろん気象条件にもよる。

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    彗星の軌道に帯状に残されたチリに地球がさしかかって、流星群が起こる(模式図、国立天文台提供)

流星(流れ星)は、宇宙空間のチリが地球の大気圏に突入して燃え尽きる際、成分が光って夜空に筋を描く現象。彗星(すいせい=ほうき星)の通り道に多くのチリが帯状に残されており、地球が毎年そこにさしかかる際に大気に飛び込んで、流星が多発する流星群が起こる。地球がチリの帯を通り、流星群が起こる時期は毎年決まっている。チリを残した天体「母天体」はペルセウス座流星群の場合、「スイフト・タットル彗星」だ。

大小100以上の流星群のうち、特に流星が多発するものは「三大流星群」と呼ばれる。中でもペルセウス座流星群は毎年、比較的安定して数が多い。ただし極大の時刻と月明かりの好条件が重なるのはほぼ8年に1度で、次に絶好となるのは2029年となる。

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    三大流星群(国立天文台などの資料を基に作成)

流星群は空のどこにでも現れうるが、光の筋をさかのぼって延長すると一点の「放射点」に集まる。その向こうの宇宙空間からチリが降ってくるためだ。ペルセウス座流星群の放射点はペルセウス座付近にある。時間により、放射点の高度が高いほど流星の数が増える。

一つ一つの流星がいつ、空のどこに出るかは全く予測できない。なるべく空の開けた場所で、肉眼で観察する。シートを敷いて寝転ぶと楽だが、利用できる安全な場所であることを確かめる必要がある。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止のため遠出は控え、他人との濃厚接触を避けるよう注意したい。 

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    ペルセウス座流星群の解説図(国立天文台提供)

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