博報堂の新規事業開発組織「ミライの事業室」は7月19日、三井物産と共に、渋谷エリアを対象とした市民共創まちづくりサービス「shibuya good pass」の本格的なテスト運用を開始した。この取り組みは、両社が共同で進めている、生活者を中心としたまちづくり構想「生活者ドリブン・スマートシティ」の実現を目指して、渋谷エリア向けに開発したデジタルサービスである。

  • 左から、hibuya good pass 使用シーン、「good place」のシェアオフィス、「good ticket」が使えるカフェ、「good mobi」

サービス利用者は、Webブラウザから会員登録することで、街での「goodな体験」や、街をよりよくするためのアイデア発信ができ、よりよいまちづくりに参加できるようになる。同サービスは「みんなでつくる、goodな渋谷」をキーメッセージに、渋谷に住む人や渋谷に通う人、また事業者や行政など、渋谷の街に関わる人々が連携して、自分たちの手で自分たちの街を便利にしていく仕組みになっているとのことだ。

「shibuya good pass」では、オリジナルの都市サービスが3種提供される。good energyは、地球環境にやさしいエネルギーサービスである。good energyの共同購買に参加することで、普段の電気代を安くでき、さらに購入料金の一部は渋谷でのコミュニティ活動の支援にも活用される。good placeは好きなオフィスを、好きな時に、選んで使えるワークプレイスサービスである。また、good mobiは、指定のエリア内であれば月額料金定額で小型車やマイクロバスに相乗りできるサービス。

  • shibuya good pass 会員画面イメージ

「shibuya good pass」では、渋谷にある店舗や、渋谷で開催されるオリジナルイベントで利用できるチケット「good ticket」が提供される。カフェで使えるクーポンや、同サービスのパートナー企業であるリアルゲイトのシェアオフィス利用チケットなど、約40種類のチケットの発行を想定しているのだそう。

また、市民が参加できる仕組みづくりとして、生活者の声をまちづくりや政策に反映させるために、市民参加型合意形成プラットフォーム「Decidim(ディシディム)」の提供も予定されている。加えて、サービス向上を目指したアンケートや、クラウドファンディングで生活者や企業から起案される仕組みも構想されているという。