Check Point Software Technologiesは6月14日(米国時間)、「Ransomware attacks continue to Surge, hitting a 93% increase year over year - Check Point Software」において、ランサムウェアの影響を受ける組織の数が2021年6月に1210に増加し、前年比で93%増となったことを伝えた。特にラテンアメリカとヨーロッパでは、2021年の初め以来最大の増加を示し、それぞれ62%と59%の増加を記録したという。
Check Point Researchでは近年のランサムウェア攻撃の増加を監視し、定期的に報告を行っている。5月のレポートでは、ランサムウェア攻撃の週平均が1115に増加したことが報告されていたが、6月は前半で週当たり1210に到達しているという。これは、2カ月未満では20%の増加、年初からは41%の増加、前年6月からでは93%の増加にあたるとのこと。しかし、この急増傾向はまだ頂点には達していない可能性が高いとCheck Point Researchは指摘している。
業界別の集計では、教育分野が347%の増加、運輸分野が186%の増加、そして小売/卸売分野とヘルスケア分野がそれぞれ162%、159%の増加と続いている。地域別には、2021年の初め以来の比較で、前述のようにラテンアメリカが62%の増加、ヨーロッパが59%増加となり、続いてアフリカと北米でそれぞれ34%、32%の増加となっている。
ランサムウェアによる攻撃は、5月に米国で発生したコロニアルパイプラインへの攻撃など、ほぼ毎日世界中で報告されている。Check Point Researchでは、ランサムウェアによる被害を防止する方法として次のような対策を行うことを提唱している。
- 堅牢で安全なデータバックアップソリューションを導入する
- コンピューターを最新の状態に保ち、最新のセキュリティパッチを適用する
- ランサムウェア対策ソリューションを導入する
- ソーシャルエンジニアリングを防止するために、組織のメンバーに適切な教育を実施する
- ランサムウェア攻撃の起点となりやすい、トロイの木馬型マルウェアなどの他の脅威を防止する